2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26800140
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
織田 勧 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10613515)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒッグス粒子 / LHC加速器 / ATLAS実験 / 4レプトンチャンネル |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年までのRun1のデータの最終結果を論文として投稿した。6月に行われたフランスのブロワ市での27th Rencontres de Bloisという国際会議において、アトラス実験とCMS実験でのヒッグス粒子の研究のうち、ヒッグス粒子がボーズ粒子2個に崩壊するチャンネルで、2012年までに得られたデータを解析した結果を口頭発表した。 2015年に取得した13 TeVの全データを用いてヒッグス粒子が4つのレプトンに崩壊するチャン ネルの解析を行い、生成断面積の予備的な結果を得て、公表した。https://atlas.web.cern.ch/Atlas/GROUPS/PHYSICS/CONFNOTES/ATLAS-CONF-2015-059/ ヒッグス粒子が4つのレプトンに崩壊するチャンネルの解析で使う、解析用データの生成を担当した。解析の内部ノートの編集の責任者も担当した。3月に東北学院大学で行われた日本物理学会第71回年次大会に参加し、成果発表と最新の情報の収集を行った。LHC-ATLAS実験で2015年に取得した陽子陽子衝突の全データを用いて、ヒッグス粒子がZ粒子2個に崩壊し、さらにZ粒子が電子2個もしくはミューオン2個に崩壊するチャンネルで、ヒッグス粒子の生成断面積、付随して暗黒物質候補粒子が生成される生成断面積の上限値、2個目のヒッグス粒子の探索の最新の結果を口頭発表した。12月に東京工業大学、1月に京都大学で行われた研究会でも成果発表した。 データ処理の際に用いる、検出器の状態のデータを保持するデータベースの管理も担当した。2月半ばからシリコンストリップ検出器のオフライン処理の責任者となり、問題の解決やシミュレーションの改善を行った。今後さらに、ヒッグス粒子の研究を進めるには、内部飛跡検出器を約10年後に更新しなくてはいけない。新たな検出器を最適化する際に用いるシミュレーションの準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8 TeVでの結果を論文として投稿し、成果をBlois 2015で発表することができ、2015年末には13 TeVでの最新結果を公表することができたため。 https://atlas.web.cern.ch/Atlas/GROUPS/PHYSICS/CONFNOTES/ATLAS-CONF-2015-059/
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Strategy for Future Research Activity |
LHCは2016年に積分ルミノシティで25 fb-1のデータを取得する予定。 これは2015年の4 fb-1に比べると6倍以上の統計量であり、ヒッグス粒子の再発見ができ、2012年までのデータを上回る精度でカップリングを測定できる。 準備も順調である。
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