2015 Fiscal Year Annual Research Report
二次元プラズマ分光法による電気絶縁ガス部分放電の気体加熱の微細構造
Project/Area Number |
26820105
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松本 宇生 福岡大学, 工学部, 助教 (50632022)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放電 / 非熱平衡プラズマ / 分光画像 / 窒素分子回転温度 / 平均電子エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究目標は、「二次元プラズマ分光法」と「窒素分子の発光強度比を回転温度(≒気体温度)および平均電子エネルギーへと換算する校正データ」を用いて、非熱平衡プラズマ中の気体温度および平均電子エネルギーの定量・分布計測することであった。 まず気体温度の計測に関する実績について報告する。結果から述べると、現状では時間的に変化しない定在的(静的)な放電プラズマに限られるが、定量・分布計測を実現した。最終年度は、本計測法の精度・信頼性の向上にも努めた。具体的には、多方向からの計測や校正データ実測範囲の拡張、校正データ取得方法の改善に取り組んだ。 次に、平均電子エネルギーの計測に関する実績について報告する。結果から述べると、こちらは装置(高圧半導体スイッチ)の故障により、十分な校正データを取得することはできなかった。今後新しい装置を導入して校正データの取得を目指す。しかしながら、研究期間内に定量測定の実現はできなかったものの、現状では時間的に変化しない定在的(静的)な放電プラズマに限られるが、分布計測を実現することはできた。 最後に観測対象のプラズマについて報告を行う。本研究課題では、最終的にはストリーマ放電などの「動的な放電」を観測することを目標としていた。しかしながら、本手法では半値幅わずか1nm程度の狭帯域バンドパスフィルタを通して放電発光を撮影するため、現有のICCDカメラでは1回の撮影で十分な発光強度の(クリアな)分光画像を得ることができなかった。そのため、今回は積算撮影が可能な定在グロー放電のような「静的な放電」を対象として研究を行った。今後の研究目標としては、より高感度なカメラ2台を同期させて、2波長分光画像同時に撮影することで、動的な放電中の気体温度・平均電子エネルギー分布の定量可視化を目指す。
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