2015 Fiscal Year Research-status Report
直接的分化誘導法による網膜視細胞作製技術の応用-変性過程のin vitro解析
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26830037
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
小牟田 縁 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 流動研究員 (60566850)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分化誘導 / 視細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において、市販の正常ヒト皮膚線維芽細胞を使用した実験より、ERストレスとアポトーシス誘導剤の濃度を確定した。 本年度では、健常者と網膜色素変性症患者由来の皮膚線維芽細胞から分化誘導によって視細胞様細胞を作成し、2週間培養した。その後、上記で決定された誘導剤の濃度で1日培養し、ERストレスとアポトーシスを誘導し、解析した。複数の誘導剤に対し、患者由来細胞において、より多くの細胞でアポトーシスとオートファジーが誘導されていることが確認された。よって健常者由来線維芽細胞と比較して、患者由来細胞でERストレスとアポトーシス誘導に対し、感受性が高いことが示された。また視細胞様細胞への誘導前後での差異も確認された。 本研究結果は、直接的分化誘導によって作成された視細胞様細胞の内部で、誘導前後でERストレスとアポトーシス誘導に対する応答において何らかのシステムの変化があることを示すものであった。また、健常者と患者由来細胞での差異、それらの分化誘導前後における差異も確認された。つまり患者由来の細胞から作成された視細胞様細胞に特異的な変性が確認されたことになり、この変性機序を解析することで網膜色素変性症の発症機序の解明に役立つものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度において、ヒト由来皮膚線維芽細胞の採取を実際に行ったが、外科的設備が必要で、提供者にリスクが生じた。このため、より簡便に採取が可能で増殖しやすい末梢血単核細胞を使用し、直接的分化誘導によって視細胞様細胞を作成する試みを行い、結果を論文として発表したため、本題へのエフォートが減少した。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点での患者と健常者由来細胞で見られた差異について検証し、結果をまとめる。 患者由来のサンプルが少ないため、サンプルを増やす。
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Causes of Carryover |
実験の都合上、参加予定していた学会に参加しなかったため。 本研究課題から生じた別の課題研究に関して、論文作成・発表を行ったので、本研究課題のエフォートが減少し、実験を行う回数が減少したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
確認された患者由来細胞特異的な現象に関して解析を行う。 現時点での結果をまとめ、発表する。
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Research Products
(2 results)