2016 Fiscal Year Annual Research Report
In vitro applications of human photoreceptor-like cells derivated by direct reprogramming.
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26830037
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
小牟田 縁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院 内科, 助教 (60566850)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 直接的分化誘導法 / 視細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚線維芽細胞からの直接的分化誘導法によって網膜色素変性症患者の視細胞様細胞作成し、細胞変性誘導を行った。分化誘導前後、または健常者と患者で、細胞変性誘導の感受性に違い違いが見られたため、さらに詳細な解析を行った。それまでに使用したオートファジーマーカーのLC3、アポトーシスマーカーのCaspase-3に加え、BNIP3L、Cytochrome-C、p62、XBP1s等についてそれぞれを比較し、Z-VAD-FMKによるCaspaseシグナルの阻害実験により細胞死のシグナル経路を検証した。いずれの結果も前年度までに得られた結果を支持すると思われるものであった。 一方、分化誘導の元として皮膚線維芽細胞を採取することは、提供者に外科的処置を施すためリスクが生じていた。このため、近年iPS細胞にも使用され、より簡便に採取可能な末梢血単核球に着目し、健常者由来の末梢血単核球から直接的分化誘導法によって視細胞様細胞作成を試みた。すると皮膚線維芽細胞と異なり、末梢血単核球は転写因子Crxを導入するだけでも視細胞マーカーを多数発現し、光刺激への応答を行う事が確認された(Komuta et al., 2016)。 当研究で得られた結果は、直接的分化誘導による視細胞様細胞の作成法は、網膜色素変性症の患者それぞれの細胞を使用した薬剤スクリーニング等への応用が可能であることが伺われるものであった。また単核球も分化誘導元の細胞として使用しうる事が示されたことで、直接的分化誘導がより簡便に行うことができ、疾患の解析には有効な手段となりうる事も示された。当計画は患者の細胞の使用承諾等を含め、国立障害者リハビリテーションセンター研究所施設において許可を得て行われたが、代表者の異動により、本研究とその今後の計画および発表は国立障害者リハビリテーションセンター研究所に引き継がれ、行われることとなった。
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