2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞増殖・癌病態を制御する受容体型チロシンキナーゼの新規寿命調節機構の分子基盤
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26830080
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
植村 武文 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80548925)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞膜受容体 / 癌 / 細胞内小胞輸送 / ゴルジ体 / エンドソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜受容体は生体の恒常性に寄与しており、それらが機能するためには細胞膜への運搬が重要である。それらのいくつかは活性状態の終結のために細胞内に取り込まれ、多胞性エンドソームを経てリソソームで分解される。また多くの細胞膜受容体の高発現や持続した活性が様々な疾患と関連があることがこれまで知られており、中には細胞内での運搬過程が関わっているものも報告されている。これらのことからもわかるように、細胞内での運搬過程が恒常性の維持や様々な病態と密接に関連していることが明らかである。本研究では細胞膜受容体の中でも上皮成長因子受容体に特に注目し、その運搬を明らかにすることで、癌などの疾患においてメンブレントラフィック関連分子の機能の活性化・不活性化が疾患の原因であることを明らかに出来ると期待できる。本年度はゴルジ体―エンドソーム間で機能するクラスリンアダプター(GGAsやAdaptor protein complex-1(AP-1複合体)など)や、それらの機能を調節するアクセサリー分子に注目し解析を行った。GGAs、AP-1複合体の発現量減少により、上皮成長因子受容体などのいくつかの細胞膜受容体の細胞膜発現が減少し、Pulse-Chase実験により上皮成長因子受容体のタンパク寿命が短くなったことが原因であることがわかった。GGAsにおいてはその発現減少によりin vitro、in vivo (異種移植実験)において細胞増殖が減少することが観察された。またGGAsについてはGSTプルダウン法により受容体との結合が確認され、AP-1複合体については過去に報告があるが次年度に確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GGAsおよびAP-1複合体が制御する細胞膜受容体がいくつか見つかったこと、GGAsについては学会で発表し論文作成の準備を始めたこと、AP-1複合体についても次年度に論文作成が可能であること、が理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も予定通りの解析を進めていく。 1)GGAsおよびAP-1複合体と、細胞膜受容体が直接結合するのか、それとも両者の間に他の因子が必要なのか、生化学的手法を用いて明らかにする。 2)癌病態とGGAsおよびAP-1複合体の関連を解析する。癌組織の免疫染色、ウェスタンブロット、qRT-PCRにより行う。
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[Journal Article] Proteasome Dysfunction Activates Autophagy and the Keap1-Nrf2 Pathway.2014
Author(s)
Shun Kageyama, Yu-shin Sou, Takefumi Uemura, Satoshi Kametaka, Tetsuya Saito, Ryosuke Ishimura, Tsuguka Kouno, Lynn Bedford, R. John Mayer, Myung-Shik Lee, Masayuki Yamamoto, Satoshi Waguri, Keiji Tanaka, Masaaki Komatsu
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Journal Title
The Journal of Biological Chemistry.
Volume: 289
Pages: 24944-24955
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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