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2014 Fiscal Year Research-status Report

空間疫学的手法を用いた交信かく乱法の安定的な適用条件の解明

Research Project

Project/Area Number 26850033
Research InstitutionJapan International Research Center for Agricultural Sciences

Principal Investigator

小堀 陽一  独立行政法人国際農林水産業研究センター, その他部局等, 主任研究員 (50414628)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords交信かく乱 / サトウキビ / ズイムシ / 性フェロモン / GIS / タイ
Outline of Annual Research Achievements

害虫の性フェロモンを合成して広範囲に充満させ、オス成虫がメスの位置を特定できないようにすることで交尾を阻害し、害虫の個体数を減少させる防除法(交信かく乱法)が開発されている。しかし、露地栽培では、本法の効果が不安定になる事例が散見されている。そこで本研究では、露地栽培作物における本法の安定的な適用条件を解明するため、サトウキビの害虫であるズイムシ類とその天敵類の系を材料とし、1)空間疫学的手法により効果が安定している地域の特徴を検出するとともに、2)性フェロモンを手がかりとして害虫を探す天敵類の、交信かく乱環境下における働きを評価する、ことを目的とした。
1)については、ズイムシ類の1種であるイネヨトウを標的とし、多様な地理的条件下で交信かく乱法が施用されている、鹿児島県島嶼部の圃場を研究サイトに設定した。交信かく乱法の効果に影響を及ぼしている可能性がある要因として、地形、サトウキビ圃場の面積と位置関係等に着目し、必要なデータを収集した。これまでに、2014年度に得られたデータの予備解析が終了しており、2015年度までの2年間で得られるデータを解析することで、目的とする要因が検出できる可能性が高いと考えられる結果が得られている。
2)については、ズイムシ類に対する天敵の大量放飼が行われているタイ王国東北部を主な研究サイトに設定した。現在は、計画通り、交信かく乱の影響を受ける可能性が高い天敵を選抜するための室内・野外実験を実施中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究には、1)空間疫学的手法により効果が安定している地域の特徴を検出する、2)性フェロモンを手がかりとして害虫を探す天敵類の、交信かく乱環境下における働きを評価する、という2つの課題がある。主にタイ王国に於いて実施している2)の研究については、年度の前半に、政局の変化に伴う夜間外出禁止令・戒厳令により研究の進捗に遅れが見られた。特に研究協力者の招聘を見合わせたことが実験の進捗に影響したが、年度の後半に、その遅れをほぼ取り戻すことが出来た。従って、本研究は「おおむね順調に進展している」と自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

今後も、当初の計画通り研究を進める。加えて、研究の効率化を図るため、以下の検討を行う。
1)については、2014年度に得られたデータの解析を継続するとともに、研究協力者によって過去に取られたデータも解析に供することが可能かを検討する。解析に組み込むことが可能であれば、当初の計画を1年短縮し、2015年度までの2年間の調査で本調査を終了させることを検討する。
2)については、2015年度中に暫定的な解析を開始し、研究対象とする種、実験・調査サイトの絞り込みを行う。

Causes of Carryover

本研究の一部は、タイ王国にて実施している。本年度は、当該国に夜間外出禁止令・戒厳令が発出されたため、2回計画していた研究協力者の現地招聘を1回にせざるを得ない状況となった。次年度使用額が生じた主な理由は、このことに起因する。

Expenditure Plan for Carryover Budget

昨年度生じた次年度使用額ついては、1)研究協力者との研究打ち合わせを行うための旅費に充てる、もしくは、2)研究協力者によって過去に取られたデータを電子ファイル化するため、一時的に研究補助者を雇用することとし、その費用に充てる、のどちらかに利用し、研究の進捗速度を増加させる。今年度新たに交付される予定の研究資金については、当初の計画通り執行する。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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