2016 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling of nitrous oxide emissions from tea field soils
Project/Area Number |
26850155
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
廣野 祐平 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門 茶業研究領域, 主任研究員 (10391418)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 一酸化二窒素 / 茶 / 土壌 / ベイズ推定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
温室効果ガス自動採取装置を用いた茶園のうね間土壌からのN2Oフラックスの高頻度観測の結果に、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いたベイズ推定法を適用して、茶園土壌からのN2O発生に関係する各種パラメータを推定した。パラメータ推定はJAGS 4.0.0およびRを用いて行った。事前分布として、昨年度、別の調査結果を用いて推定されたパラメータ分布を与えた。N2Oの生成経路として硝化および脱窒を考慮し、硝化および脱窒由来のN2O発生量の予測には、それぞれアンモニア態窒素(NH4-N)濃度および硝酸態窒素(NO3-N)濃度に比例する一次反応式が成り立つと仮定したモデルを用いた。さらに、得られたパラメータを、窒素溶脱量を予測する水分・溶質移動モデルであるHYDRUS-1Dに与えることにより、茶園における窒素動態の総合的な評価を行い、推定パラメータの妥当性を評価した。 パラメータ推定の結果、本研究で得られた実測値をよく再現する予測値が得られた。昨年と同様に茶園土壌からのN2O発生量に対しては、硝化由来の発生量が大半を占め、硝化の寄与が脱窒の寄与よりも大きいことが示唆された。また、窒素溶脱量の予測については、浸透水量および窒素溶脱量ともに実測値をよく再現した計算結果が得られた。N2O発生量を想定したシンク項により土壌中から取り除かれた窒素量の計算値は、施肥窒素量の2~3%に相当し、上で推定されたパラメータの妥当性が確認できた。窒素動態の総合的な評価を行うにあたっては、今後さらに、窒素ガスとして大気へ放出される窒素量についても考慮に入れる必要がある。
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Research Products
(2 results)