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2014 Fiscal Year Research-status Report

細胞内シグナルを標的とした定量プロテオミクスによる統合失調症の発症機構解明

Research Project

Project/Area Number 26860057
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

平山 未央  熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 助教 (90706483)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywordsプロテオーム解析 / 統合失調症 / ネットワーク解析
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、統合失調症の神経発達不全による発症機構解明のために、質量分析技術とネットワーク解析を組み合わせることで統合失調症において特異的に変動している分子シグナルの同定を行った。健常者死後脳10検体と統合失調症患者死後脳10検体の前頭葉を細胞質・原形質膜画分に分画し、酵素消化して得たペプチドを用いタンパク質網羅的発現解析・定量解析を行った。網羅的相対量解析の結果変動していた分子に関して、定量解析を行った。定量解析には、標的ペプチドを直列に連結した内部標準タンパク質を大腸菌に発現させて得た内部標準ペプチドを用いたが、感度低下等の問題が発生したため、合成ペプチドを用いた相対定量法に変更して解析を行った。網羅的解析と定量解析の結果を統合し、疾患で発現減少した26ペプチドを再び選択し、高感度の三連四重極型の質量分析計で相対比較定量解析を行った。その結果、細胞質・細胞膜画分と共に各10ペプチドが有意に疾患で発現変動していることがわかった。これらの分子の発現量データをネットワーク解析ソフトKeymolnetにインポートして解析した結果、新規分子を含む複数の分子から構成される神経系の分化に関わる分子ネットワークが検出できた。また、各シグナル分子間において検体における発現量の比較検定を行った結果、有意に疾患と相関することが示された。この結果より、統合失調症で有意に変動する分子ネットワークを構成する分子の機能を明らかにすれば、発症機構解明や治療標的になることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

統合失調症脳と健常者脳の網羅的発現比較解析と疾患時に発現低下する標的分子の定量解析を終了したため。またネットワーク解析によって疾患時に起こっていると予測される経路を抽出できたため。

Strategy for Future Research Activity

H27年度は網羅的解析の結果、疾患で発現が増加している分子の定量解析を三連四重極型の質量分析計を用いて行う。定量データを基に、疾患で発現が増加している分子のネットワーク解析を行う。
疾患で変動しているネットワーク分子を抽出後、標的分子の機能を調べるために神経系の培養細胞を用いて検証実験を行う。標的分子が神経系細胞の分化や維持に関わることを示し、統合失調症との関わりを明らかにする。

Causes of Carryover

今年度は質量分析による解析が主だったため、細胞生物学的実験用の試薬の購入が少なかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

網羅的解析の結果、発現増加していた分子の安定同位体標識ペプチドの購入と、質量分析に使用する消耗品に使用予定である。また予測されたネットワーク解析の検証実験のために培養細胞を用いた発現抑制実験を行うための試薬に使用する。成果発表のための学会発表や論文投稿にも使用する予定である。

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Published: 2016-06-01  

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