2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26860082
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
山川 直樹 就実大学, 薬学部, 講師 (20583040)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非ステロイド性抗炎症薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)がもたらす作用・副作用の新たな分子機構を解明すると共に、有機合成的手法により臨床的に有用な化合物を得ることを目的とした。これにより、優れた抗炎症・抗癌・抗アルツハイマー病作用などを持つ臨床的に有用なNSAIDsを開発するための基礎的成果を期待することができる。平成27年度は前年度までに発見したNSAID依存に発現が変化する遺伝子と薬理作用との関連の解析を行い、特にNSAIDと胃粘膜細胞との相互作用に関して有機合成的手法を用いた実験から、特異的な現象を発見した。具体的には、まず、1)NSAIDと胃粘膜などの消化管細胞の増殖抑制に関連する遺伝子の発現に影響を及ぼす既存NSAIDsのスクリーニングを行い、最も関連性の高い化合物の同定を行った。次に、2)同定した化合物の基本構造と類似した合成可能なリード化合物とそれらの周辺化合物の合成を行った。さらに、3)これらの一連化合物について胃粘膜を模倣した人工細胞を用いた膜傷害評価を行った。その結果、抗炎症作用を標的とするタンパク質に選択性が高い化合物は非選択的な化合物と比べて強い膜傷害性を示すことを見出した。今後はこれら合成化合物の中から最も薬理効果の高い化合物の抽出を行い、臨床的に有用な医薬品開発へ向けた有効性・安全性の詳細な解析を行う。
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