2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cell therapeutic approach using gene-transduced mesenchymal stromal cells for muscular dystrophy
Project/Area Number |
26860273
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
笠原 優子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 助教 (90391911)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨髄幹質細胞 / 筋ジストロフィー / 細胞移植 / IL-10 / 抗炎症療作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄間質細胞(Multipotent mesenchymal stromal cells, MSCs)は、「免疫制御能」を利用した細胞性医薬品として既に臨床へ応用されている。また、MSCsは「多分化能」を有することから、組織再生においても治療への応用が注目されている。研究代表者らは、筋分化誘導操作を行ったMSCsを用いて、筋ジストロフィー犬への移植条件の確立と筋組織への生着について報告している(Kasahara et al., 2012)。本研究課題ではこれまでに、抗炎症性サイトカインIL-10を欠損し、慢性炎症を伴ったIL-10欠損筋ジストロフィーマウスを樹立(Kasahara et al., 2014)、炎症鎮静化が病態進行の緩和に重要であることを示した。そこで、従来のMSCsを用いた細胞移植法と比べてさらに治療効果を得るため、アデノ随伴ウイルスベクターを用いてIL-10の長期発現を可能にしたMSCsを作製し、筋ジストロフィー犬への移植実験を行った。その結果、筋肉内局所投与から3ヶ月後の長期にわたり、従来のMSCsと比較して炎症部位への高い生着が可能であった。さらに、筋分化誘導操作を行っていないにも関わらず、一部のIL-10発現MSCsによる新たな筋線維様組織の再生が確認された。本課題の遂行により、今後さらにIL-10発現MSCsによる抗炎症効果および分化能を応用した治療技術の開発が期待された。
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