2015 Fiscal Year Annual Research Report
標的部位特異的な抗体を用いた鳥インフルエンザA(H7N9)迅速診断系の構築
Project/Area Number |
26860311
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 仁 国立感染症研究所, インフルエンザウイルス研究センター, 主任研究官 (60555762)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 診断 / H7N9 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年3月に中国で確認された鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトへの発症は高い致死性を有し、今後大流行を引き起こす危険性がある。そのため、A(H7N9)インフルエンザの迅速診断系を構築しておくことは、感染拡大を防ぎ適切な治療選択を行う上でも重要である。現在市販されている迅速診断キットではH7等のHA亜型判別まではできず、HA亜型判別を行うためには各亜型特異的な抗体が必要となる。しかしながら、A(H7N9)ウイルスは免疫原性が低いという報告もあり、従来のウイルス抗原を用いた抗体作製法ではH7 HA特異的な抗体が得にくいことが考えられる。そこで、本研究では標的部位特異的なペプチドを用いた抗体作製法を用いることによりH7 HA特異的な抗体を作製し、これを用いた高感度・特異的なA(H7N9)インフルエンザ迅速診断系の構築を行っている。 昨年度までにH7 HA蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗体を作製し、この抗体を用いたサンドイッチELISA系の構築を行った。しかしながら、H7 HA蛋白質に対して反応性を示す抗体の組み合わせが得られたものの、その反応性は低いものであった。そこで、今年度はウイルス抗原の界面活性剤処理条件の検討を行い、サンドイッチELISA系での反応性向上を試みた。その結果、昨年度行っていた条件よりも7~10倍程度反応性の高くなる界面活性剤とその至適濃度を見出すことができた。この条件におけるサンドイッチELISA系では、より高感度にH7 HA蛋白質を認識し、H1pdm、H3およびH5 HA蛋白質には反応しないことが示された。また、今回作製したモノクローナル抗体はウイルス中和活性能を持たないことも示された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Novel Reassortant Avian Influenza A(H5N1) Virus in Human, Southern Vietnam, 20142016
Author(s)
I Takayama, NT Hieu, M Shirakura, M Nakauchi, S Fujisaki, H Takahashi, S Nagata, NT Long, T Odagiri, M Tashiro, T Kageyama
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Journal Title
Emerg Infect Dis
Volume: 22
Pages: 557-559
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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