2017 Fiscal Year Annual Research Report
Communication skills training for emotional empathy
Project/Area Number |
26860350
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
藤森 麻衣子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 自殺予防総合対策センター, 室長 (40450572)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コミュニケーション / 共感 / 医学教育 / サイコオンコロジー / 心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
治癒不能のがん告知をはじめとする悪い知らせを伝えられる面談において、がん患者は医師に対して共感を求めている。一方、医師は患者に共感を示すことを難しく感じており、また教育も十分ではない。そのため医師を対象としたコミュニケーション学習プログラムを開発し、無作為化比較試験を実施した。その結果、プログラムに参加した医師において、参加していない医師と比較して、模擬面接場面での患者の望む共感的行動が有意に増加することが示された。しかしながら医師の情動的共感への影響は検討されていない。そこで本研究では、コミュニケーション学習プログラムの医師の情動的共感への効果を検討することを目的とする。 がん医療に3年以上携わる、コミュニケーション技術研修会に参加した医師507名を対象に、共感性を研修会参加前、3か月後に対人反応性指標(Interpersonal Reactivity Index:IRI)への回答を求め、研修会参加前、3か月後の因子得点を比較した。 研修会参加前、3か月後にIRIに回答した383名(Response rate:75.5%)を解析対象とした。研修会参加前後のIRI因子得点は、共感的関心因子が16.5±3.6、17.2±3.6(p<0.05)、視点取得因子が16.1±3.8、16.9±4.1(p<0.05)、個人的苦痛因子が15.1±4.1、14.8±4.1(n.s.)、想像性因子が16.7±5.2、16.8±5.4(n.s.)であった。対象者背景(年齢、性別、専門科、経験年数)から関連する要因を検討した結果、共感的関心因子には性別が関連し、男性のみ介入前と比べ3か月後の因子得点が有意に高いことが示唆された(p<0.05)。 本研究の結果から、コミュニケーション学習プログラムは男性医師の共感的関心を増加させる可能性が示唆された。
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