2014 Fiscal Year Research-status Report
Toll様受容体の発現に着目した自己免疫性甲状腺疾患の新規検査法の開発
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26860369
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 直哉 大阪大学, 医学部附属病院, 医療技術職員 (80710269)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臨床検査法の開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Toll様受容体(TLR)を用いた自己免疫性甲状腺疾患に対する新規検査法の開発を目的とおり、この開発のため研究計画書に基づき本年度はTLR遺伝子に存在する遺伝子多型、末梢血単核球におけるTLR発現解析を行っている。 まず、我々はTLRの一種であるTLR4遺伝子に存在する遺伝子多型の解析行い、rs41426344遺伝子多型のCキャリアーが橋本病の重症度に関連しているという結果を初めて明らかとした。これは、免疫反応を促進させるTLR4発現が遺伝的に低い方が橋本病が軽症化しやすい、つまり甲状腺の組織破壊が弱いという結果であり、橋本病の重症化を予測する検査法に応用することが可能であると考えられる。 本研究結果はTissue Antigens. 2015 Mar;85(3):209-11.に掲載されている。。 その他のTLR遺伝子においても順次解析を行い、一部にはAITDの病態に関係するという結果が出始めており、順次学術発表や国際雑誌への発表を行う予定である。 末梢血単核球におけるTLR発現解析は順調に解析を進めており、興味深い結果が得られるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TLR遺伝子多型の解析は予定よりも早く進んでおり、順調である。TLR発現細胞解析に関しては計画書よりもややサンプル数が少ない状況であるが、大きな問題は生じていない
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度もTLR遺伝子に存在する遺伝子多型の解析を行い、本年度にて終了を目標としており、達成できると思われる。 末梢血単核球におけるTLR発現解析も昨年度同様に研究を行い、解析を進めていく予定である。 本年はTLR輸送タンパクの解析を開始し、TLR輸送タンパクとAITDとの関連を明らかとしていく予定である
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Causes of Carryover |
TLR発現細胞解析に用いるサンプル数が当初の予定よりも少なかったため、残額が生じた。一部のTLR遺伝子多型解析に測定困難なものがあり、その解析に時間を要した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は、次年度のTLR発現細胞解析、TLR遺伝子解析の費用に使用する計画である
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Research Products
(1 results)