2015 Fiscal Year Research-status Report
小児核医学ダイナミック検査における至適情報量に基づく適性投与量算出法の開発
Project/Area Number |
26860403
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日高 国幸 大阪大学, 医学部附属病院, 技術職員 (50437430)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 小児核医学検査 / 放射線医薬品 / 適正投与量 / 腎動態シンチグラフィ検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では小児腎動態シンチグラフィ検査に代表されるダイナミック検査の投与量と画質の関係について、生理学的循環を考慮した腎動態模擬ファントムから把握し,投与量と画質を最適化することを目的としている.腎動態シンチグラフィの挙動把握が可能な既存の腎動態ファントムはないため,生理学的循環を考慮した腎動態シンチグラフィ解析用ファントムの作成を行った.ファントムは本課題の遂行上不可欠かつ重要であり,慎重に時間をかけて進めた.本年度は腎動態シンチグラムを模擬するファントムを完成させた。ファントムは生理的循環を模擬するため、循環上流側から心臓、大動脈、腎臓、尿管、膀胱の循環を模擬した系と、心臓、肝臓、体内への循環を模擬した系の2つの循環を組み合わせて作成した。ファントムの全体的な大きさは乳児~幼児体形を模擬し、腎自体の大きさは長径4cmとして作成した。実験における放射線医薬品の薬剤動態は、実験中にガンマカメラで撮影した画像にて確認した。循環上流側から挿入した放射線薬剤は心臓-大動脈-腎臓へ流れ、腎臓にて一定時間留まり、尿管、膀胱へ流出していくのが撮影画像にて確認できた。しかしながら、本来、人体でみられる挙動よりも腎での薬剤貯留時間が短いため、ファントムの修正や、膀胱からの排出の流量の調整が必要と考えられた。また、肝臓を介して体内へ流れる薬剤の量もやや量が多いのでこちらも調整が必要と考えられた。本年度は、前述したように調整は依然必要であるが、腎動態シンチグラフィを完成させ、画像にてその薬剤循環を確認できた。これは日本では初めての試みで、我々の分野では非常に新規性があり、今後の研究に期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の成否は腎動態シンチグラフィ解析用ファントムが鍵である。そのファントムは現在まで存在しておらず、十分に検討をかけて作成する必要があった。今年度はそのファントム作成と実験に時間を費やした。核医学の画像における生理的循環を模擬するファントムは完成し、実験を行った。実験を行うと、腎動態シンチグラムの画像上の薬剤動態を模擬するために、一部でファントムの修正が必要となった。また、実験時のファントムの取り扱い時にファントムの一部が破損したため、その修理に時間がかかり、研究が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
腎動態ファントムの調整をできるだけ早い時期までに行い、実験を完了する。その後、28年度研究計画に沿って明らかにした投与量,画質の関係より,投与量-画質マップを作製し,実臨床での投与量と画質の関係と比較し,ファントム実験の妥当性を判断する。
|
Causes of Carryover |
今年度は、研究進捗が遅れたため、予定していた、学会等での研究成果の公表ができなかったため、当該助成金が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究をより進捗させ、学会等での研究成果の公表に係る費用などを考慮している。
|