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2014 Fiscal Year Research-status Report

経内頚静脈的脂肪酸持続投与が大腸発癌に与える影響および分子メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 26860517
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

遠藤 宏樹  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (70468164)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords大腸発がん
Outline of Annual Research Achievements

我々はこれまで経内頸静脈的にパルミチン酸を持続投与することにより大腸上皮の増殖能が亢進することBrdUの取り込みを測定することにより確認している。さらに江口らが確立した方法でパミチン酸を0.2μl/minで24時間経内頚静脈的に持続投与することで大腸上皮のインスリン抵抗性の出現のみならずJNKも活性化していることを確認し、さらに長時間脂肪酸を投与することで細胞増殖が亢進していることが確認され、本投与方法を用いた大腸発癌モデルの可能性を見出している。昨年度は、発癌実験に対する脂肪酸長期投与も見据えた条件設定のため、 脂肪酸の投与時間、投与濃度での違いを確認した。まず、脂肪酸濃度および速度を様々な条件に設定し、Ki67、BrdU 取り込みによる大腸上皮細胞増殖の評価、JNK活性について何度も検討したが、データのばらつきも大きく期待する結果が得られなかった。また、経静脈投与には1匹につき1ゲージ必要であり、n数が確保できないというデメリットがあり、Hua Shenらが確立した脂肪酸を腹腔内投与することで1種類の血中脂肪酸濃度を上昇させる方法に変更することとした。腹腔内投与モデルは比較的安定したデータが得られ、1日1回、150mMのパルミチン酸0.02ml/gを腹腔内5日間連続投与することで、有意に大腸上皮細胞の増殖が亢進していること、大腸粘膜のcMyc、CyclinD1発現が亢進している結果が得られている。飽和脂肪酸の受容体であるTLR4のノックアウトマウスを用いて上記の脂肪酸投与モデルによる実験を進めており、細胞増殖や分子の発現について解析中である。また次に飽和脂肪酸の発癌における関与を明らかにするためにアゾキシメタンによる発癌モデルを用いて飽和脂肪酸投与がACF形成を促進するかを準備中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

大腸発がんにおける脂肪酸負荷の重要性について、肥満モデルでない実験マウスを用いて糸口をつかみ、また分子機序にまで迫っている点は非常に意義が大きいが、当初1年をかけて研究予定であった脂肪酸の投与量、速度、脂肪酸の種類の条件設定が十分確立した状態とはいえず、この点に関しては十分研究がすすんでいるとは言えない。ただ、さまざまな文献をもとに代替となる案を模索し、脂肪酸の腹腔内投与の方法を確立しつつあり、実際この方法で脂肪酸投与による大腸上皮細胞の増殖亢進やc-mycやcyclinD1発現の亢進を確認できており、脂肪酸が明らかに大腸発がんへ重要な役割を果たしていることが実証された。

Strategy for Future Research Activity

本年度は引き続きTLR4ノックアウトマウスを用いた発がんモデル(ACFモデル)の大腸上皮の細胞増殖亢進の検証を継続し、さらにこの大腸組織やタンパクを用いた分子機序解析にまで研究をすすめる予定である。さらにJNKノックアウトマウスで脂肪酸投与実験も行い、大腸上皮の細胞増殖およびその分子機序について検討する。これにより脂肪酸投与モデルにおけるTLR4/JNK経路の重要性を確認できる。またc-Jun標的遺伝子であるcyclinD1、CD44などの発現亢進のほか、JNKとリンクするWntシグナルの関与について検討する予定である。さらにWnt標的遺伝子であるLgr5発現が脂肪酸投与により亢進するかどうかを検証する。
以下の計画により上記目標を検証する。
①脂肪酸投与マウス大腸上皮の蛋白解析をJNK、c-Junに関してリン酸化特異的抗体を用いて行う。さらに転写因子としてのAP-1の脂肪酸による転写亢進はEMSA(ゲルシフト)にても解析する。
②脂肪酸投与マウス大腸上皮陰窩におけるリン酸化βカテニン552(p-βカテニン)陽性のCBC細胞数解析。
以上より得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。

  • Research Products

    (6 results)

All 2014

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 肥満・生活習慣病と大腸癌2014

    • Author(s)
      遠藤宏樹、日暮琢磨、高橋宏和、中島 淳
    • Journal Title

      日本消化器内視鏡学会雑誌

      Volume: 55 Pages: 3735-3744

  • [Journal Article] 肥満関連疾患をターゲットとしたメトホルミンによる大腸腫瘍の科学予防の可能性2014

    • Author(s)
      23.日暮琢磨、酒井英嗣、内山詩織、梅沢翔太郎、遠藤宏樹、高橋宏和、中島淳
    • Journal Title

      消化器内科

      Volume: 58 Pages: 612-616

  • [Journal Article] Methylation epigenotypes and genetic features in colorectal laterally spreading tumors2014

    • Author(s)
      Sakai E, Ohata K, Chiba H, Matsuhashi N, Doi N, Fukushima J, Endo H, Takahashi H, Tsuji S, Yagi K, Matsusaka K, Aburatani H, Nakajima A, Kaneda A.
    • Journal Title

      Int J Cancer

      Volume: 135 Pages: 1586-95

    • DOI

      10.1002/ijc.28814

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] EICOSAPENTAENOIC ACID (EPA) SUP-PRESSES COLORECTAL ABERRANT CRYPT FOCI (ACF) AND CELL PROLIFERATION IN COLORECTAL EPITHELIUM VIA GPR1202014

    • Author(s)
      84Higurashi T , Uchiyama S , Umezawa S , Sakai E , Ohkubo H , Endo H , Takahashi H , Nakajima A
    • Organizer
      22nd United European Gastroenterology Week
    • Place of Presentation
      Vienna(オーストリア)
    • Year and Date
      2014-10-18 – 2014-10-22
  • [Presentation] GPR120 経路をターゲットとしたエイコサペントエン酸(EPA)による大腸腫瘍化学予防2014

    • Author(s)
      72梅沢翔太郎, 日暮琢磨, 内山詩織, 酒井英嗣, 遠藤宏樹, 中島淳
    • Organizer
      第131回日本薬理学会関東部会
    • Place of Presentation
      横浜市立大学(神奈川県)
    • Year and Date
      2014-10-11 – 2014-10-11
  • [Presentation] AMPK-mTOR 経路をターゲットとしたメトホルミンによる大腸腫瘍化学予防2014

    • Author(s)
      73日暮琢磨, 梅沢翔太郎, 内山詩織, 酒井英嗣, 細野邦弘, 遠藤宏樹, 中島淳
    • Organizer
      第131回日本薬理学会関東部会
    • Place of Presentation
      横浜市立大学(神奈川県)
    • Year and Date
      2014-10-11 – 2014-10-11

URL: 

Published: 2016-06-01  

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