2014 Fiscal Year Research-status Report
腎臓の発生に必須なSall1蛋白のポドサイト障害からの回復期・再生期における役割
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26860648
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
細江 佳子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (30722764)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポドサイト / Sall1 / 糸球体硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までの研究により、Sall 1蛋白がポドサイトの分化やポドサイト障害からの回復期・再生期に重要な役割を果たすことが明らかとなっていた。本年度はSall 1蛋白のポドサイトにおける役割を、より詳細に明らかにするために、Sall 1ノックダウンポドサイトを作成し検討を行った。 Sall 1蛋白は分化ポドサイトでは発現が少なく、未分化の状態や細胞障害が加わった際に発現が亢進する。そこで、野生型の未分化培養ポドサイトにpSUPER systemを使用し、siRNAによりSall1の発現をノックダウンし、Sall 1ノックダウンポドサイトのstable cell lineを作成した。このSall 1ノックダウンの分化ポドサイトは、細胞の大きさが野生型に比し小さかった。さらにSall 1ノックダウンポドサイトでは、ポドサイトの形態形成に重要なアクチン関連蛋白であるsynaptopodinの発現が低下していた。つまり、Sall 1をノックダウンすることで、細胞骨格を支える太いアクチン線維束の形成が抑制されることが明らかとなった。アクチン骨格は細胞移動を担っており、細胞移動の障害がポドサイト障害の進展・増悪と深く関連している。そこで、Sall 1ノックダウンポドサイトで、Wound healing assay、cell migration assayを行い、細胞の遊走能の変化を確認した。この結果、両assayで野生型と比し、有意に遊走能が抑制されていることが分かった。 我々が作成したポドサイト特異的Sall 1ノックアウトマウスは、加齢により足突起消失を認め、糸球体硬化を引き起こすアドリアマイシン投与により、蛋白尿と糸球体硬化が野生型と比し有意に増悪するが、この原因としてSall 1欠損によるポドサイトの細胞形態・細胞骨格障害と細胞移動低下が関連していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究によりSall 1ノックダウンポドサイトの作成と評価を行うことができた。この結果、Sall 1蛋白が細胞形態・細胞骨格の形成に重要であることが明らかとなった。細胞骨格の障害をもたらす原因を明らかにしていくこと、さらには細胞骨格の障害からポドサイト障害に至るメカニズムを明らかにしていくことの意義は非常に大きいと考える。本年度はin vitroの評価が中心であったため、来年度はin vivoと併せて検討していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度までの研究でポドサイト特異的Sall 1ノックアウトマウスはERストレスの増強による濾過障壁の崩壊がポドサイト障害をもたらしていることが分かっていたが、来年度は、細胞形態や細胞骨格の障害についてin vitroで得られたデータをin vivoでも評価したいと考えている。 さらにこれらの障害が糸球体硬化をもたらすメカニズムについて細胞死の関連蛋白の変化も併せて観察し明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はin vitroでの研究が主であり、これまでに購入した試薬などで多くの研究を行うことができた。Sall 1ノックダウンポドサイトの作成に時間がかかったこともあり、本年度に予定していたものも含め、以下の消耗品を中心に、次年度に使用したいと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品:本年度までの結果をもとに、ポドサイトのアポトーシス解析用試薬、ポドサイト関連蛋白やERストレス、細胞死の関連蛋白の解析に必要な各種抗体の購入を予定している。また、研究の進行度によりノックダウンポドサイトのマイクロアレイによる解析費用に充てることも検討している。追加実験及びマウス系統維持のためのマウス購入費用も予定している。
旅費:日本腎臓学会学術集会、アメリカ腎臓学会で成果を発表するための旅費を予定している。
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[Journal Article] Notch2 activation ameliorates nephrosis.2014
Author(s)
Tanaka E, Asanuma K, Kim E, Sasaki Y, Oliva Trejo JA, Seki T, Nonaka K, Asao R, Nagai-Hosoe Y, Akiba-Takagi M, Hidaka T, Takagi M, Koyanagi A, Mizutani S, Yagita H, Tomino Y.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 5
Pages: 3296
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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