2015 Fiscal Year Annual Research Report
運動による肝臓の代調節機構およびIL-6/STAT3/FGF21の役割の解明
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26860690
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 正稔 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30396725)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝臓 / 骨格筋 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は運動が肝臓の糖代謝や脂質代謝を改善させるメカニズムを明らかにすること、特に運動によって骨格筋から分泌されるIL-6と、肝臓で代謝を改善させる分子の一つであるSTAT3、およびFGF21機能に着目して、運動による肝臓の代謝調節機構を明らかにし、これらの分子および作用経路の治療標的としての可能性を検討し、運動模倣薬の端緒となることを目的とした。 H26年度我々は、運動が肝臓のIRS-2を上昇させせると同時に、STAT3のリン酸化が亢進しすること、また肝臓のFGF21の発現が運動によって増加すること、またこれがあらかじめIL-6の中和抗体の投与によりキャンセルされることについて、より詳細なデータを集積した。 H27年度(最終年度)我々は、運動によって増加するIL-6による肝臓の代謝改善作用が、STAT-3を介する可能性をin vivoにおいて検証するため、肝臓特異的STAT3欠損(Alb-Cre:Stat3-flox)マウスを運動させ、肝臓における糖代謝および脂質代謝への影響と、FGF21のmRNAおよび蛋白の変化を検討した。 また、STAT3のFloxマウスにCreレコンビナーゼを発現させるアデノウイルスを静注し、比較的急速に肝臓特異的にSTAT3を欠損させることにより、二次的な代謝変化をある程度排除した条件下でも同様の運動実験を行っている。 さらに、ラット肝芽腫細胞およびマウス初代培養肝細胞をレコンビナントIL-6で刺激することによる、糖代謝・脂質代謝およびFGF21への影響を検討している。そしてこれらの結果が、Alb-Cre:Stat3-floxマウスからの初代培養肝細胞や、Stat3-floxマウス初代培養肝細胞へのCre発現ウイルスの感染により、STAT3を欠損させた場合、どのように変化するか検討している。
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