2014 Fiscal Year Research-status Report
全エクソンシークエンスを用いた新規糖尿病発症原因遺伝子の同定
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26860694
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 大祐 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50582904)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 次世代シークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは1家系に3名以上の糖尿病患者を有する家族歴濃厚家系(103家系288名)につき、臨床情報およびゲノムDNAを得た。発端者につきMODY1~6遺伝子のシークエンスを行い、既知のMODY遺伝子では説明できない家系のうち、特に家系内罹患者の多い2家系につき全エクソンシークエンスを完了した。 罹患者9名を有する家系Aについては、若年発症罹患者(45歳未満発症)5名および1名の高齢非罹患者についてゲノムDNAの全エクソンシークエンスを行い、罹患者全員に共通し非罹患者にはみられないNon-synonymousな塩基配列変化は370個検出され、1000 genomes projectにて0.01以上のマイナー対立遺伝子頻度を持つものを除外した結果、14個の塩基配列変化が候補となった。 インスリン分泌の著明な低下を伴う家系内罹患者4名を有する家系Bについては、糖尿病罹患者4名と、両親・同胞に糖尿病罹患者を有しない家系内非罹患者2名についてゲノムDNAの全エクソンシークエンスを行い、罹患者全員に共通し非罹患者にみられないNon-synonymousな塩基配列変化は439個検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家系の集積ならびに全エクソンシークエンスは順調に進捗している。 家系により、罹患者に集積する塩基配列変化が多数に及ぶことがあることが判明した。事前の計画どおり絞り込み作業を進めた場合、家系の発症原因遺伝子変異候補が多数である故、一般人口における塩基配列頻度検討やin vitro解析を行うにあたり困難となる可能性が示唆される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者らが使用可能な一般非罹患者DNAサンプルを用い、家系の発症原因遺伝子変異候補となる塩基配列変化の頻度をTaqman法にて検討するが、検討前に、研究費申請後に公開された日本人ゲノム次世代シークエンスデータ(Human Genetic Variation Browser)を活用して、マイナー対立遺伝子頻度が0.01を越えるものはあらかじめ候補から除外することとする。この方法およびタンパク機能変化予測データベース(SIFT, Polyphen 2)を用いる方法を組み合わせると、家系Bにおいて罹患者に集積する、タンパク機能変化を引き起こす稀な変異の候補は18にまで絞り込まれることが判明した。 この考えに基づき、一般非罹患者における検討、さらには絞り込まれた変異に関するin vitro機能解析を行い、糖尿病多発家系の発症原因遺伝子変異を同定する。
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Research Products
(2 results)