2014 Fiscal Year Research-status Report
レット症候群モデル動物及びES/iPS細胞による自律神経システム異常の研究
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26860832
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
原 宗嗣 久留米大学, 医学部, 助教 (30389283)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レット症候群 / MeCP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、申請者は、RTT動物の心拍変動パラメーター解析から心臓自律神経の機能異常を見出した。しかし、RTTにおける自律神経異常の病態メカニズムは明らかではない。そこで、本研究では、心機能など心臓に着目して、RTTにおける自律神経系の病態メカニズムを解明するために、RTTモデル動物やiPS・ES細胞を用いて、以下の3点について明らかにすることを最終目標としている。 1)RTTモデル動物における自律神経異常病態の同定と評価法の確立 2)RTTモデルiPS・ES細胞による自律神経系ニューロン分化と機能解析 3)RTTモデル動物、細胞における自律神経異常病態に対する治療法の開発 その結果、RTTモデル動物では不整脈など機能的に明らかな異常は認められないものの、コントロールのWTマウスに比較して、心電図のパラメータの違いが認められることが明らかとなった。また、心臓自体の構造や働きを調べるために、RTTモデルES細胞を用いて心筋分化能を調べたところ、MeCP2の欠損は心臓の分化誘導にはほとんど影響しない一方で、心筋前駆細胞の発生やその後の分化能に影響を及ぼすことが明らかとなった。現在、Mecp2遺伝子欠損の心臓における遺伝子の発現や構造に及ぼす影響を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想に反して、RTTモデル動物では明らかに病的な心電図の異常は認めれなかったものの、RTTモデルES細胞由来の心筋前駆細胞の発生やその後の心筋分化にMecp2が関与する可能性を示す興味深い成果が得られた。これまでRTT患者の不整脈など心臓機能異常の原因は神経系異常とされてきたが、本研究により、RTTでは心臓の組織そのものにも問題を抱えている可能性を示す成果であり、まずは、RTT患者の心臓機能異常のメカニズムを探る手掛かりを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果に基づいて、更なる詳細な心臓組織の解析を行なうとともに、心臓の発生過程、心臓組織におけるMeCP2の標的分子の探索を行なう予定である。
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Causes of Carryover |
研究がほぼ計画通り進み、当初の予定よりも少ない予算内で研究費を効率的に利用できたため、未使用金が出てしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の交付助成金とあわせて、研究用消耗品を購入するための物品費として利用を予定している。
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[Journal Article] Relation between circulating levels of GH, IGF-1, ghrelin and somatic growth in Rett syndrome.2014
Author(s)
Hara M, Nishi Y, Yamashita Y, Hirata R, Takahashi S, Nagamitsu S, Hosoda H, Kangawa K, Kojima M, Matsuishi T.
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Journal Title
Brain Dev.
Volume: 36(9)
Pages: 794-800
DOI
Peer Reviewed
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