2014 Fiscal Year Research-status Report
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26860868
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
簗場 広一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80385369)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 免疫複合体 / B細胞 / CD19 |
Outline of Annual Research Achievements |
(背景と目的)B細胞の免疫複合体病における役割を、IL-10産生制御性B細胞が欠如したCD19ノックアウトマウスに免疫複合体病のモデルであるアルサス反応を誘導することによって解析を行っている。 (方法)野生型マウスおよびCD19ノックアウトマウスにニワトリ卵白アルブミンに対するウサギIgG型抗体および陰性コントロールとして精製ウサギIgGを、マウスの背部皮膚に皮内注射する。その直後に抗原であるニワトリ卵白アルブミンをマウス尾静脈から静注し、皮膚にて免疫複合体を形成させ炎症を惹起させた。 1) 皮膚浮腫の測定:浮腫を測定するため抗原であるニワトリ卵白アルブミンには0.2% Evans blue を添加しておき、抗体および抗原投与4時間後、マウスの背部のEvans blueで青染された皮膚を測定することによって皮膚浮腫を定量化した。 2) 皮膚出血の測定:抗体および抗原投与8時間後、マウスの背部皮膚の出血を測定することによって皮膚出血を定量化した。 (結果)野生型マウスおよびCD19ノックアウトマウスで皮膚アルサス反応の程度に有意な差は見られなかった。今後は腹腔アルサス反応において両群で違いがあるかどうかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画時より皮膚アルサス反応におけるIL-10産生制御性B細胞の役割は限定的であると推測していた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後腹腔アルサス反応でIL-10産生制御性B細胞の関与があるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
本研究では、皮膚アルサス反応および腹腔アルサス反応の2つの反応により、免疫複合体病におけるB細胞およびIL-10産生制御性B細胞の役割を評価するのがテーマである。初年度では主に皮膚アルサス反応の評価を行った。次年度は残る腹腔アルサス反応を行う必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1) 腹腔逆アルサス反応の誘導:ニワトリ卵白アルブミンに対するウサギIgG型抗体(2 mg/ml;Sigma社)および陰性コントロールとして精製ウサギIgGを腹腔内注射する。その直後に抗原であるニワトリ卵白アルブミン(を尾静脈から静注し、腹腔内にて免疫複合体を形成させ炎症を惹起させる。抗体および抗原投与4時間後、8時間後に腹腔中に含まれる好中球、肥満細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、B-1a細胞、B-1b細胞、B-2細胞(をフローサイトメーターを用いて評価する。 2) 腹腔回収液中のサイトカイン濃度の評価: アルサス反応誘導前、誘導後の腹腔回収液におけるサイトカイン蛋白をELISA法にて定量的に測定する。サイトカインとしては、 ①アルサス反応に関与していると考えられるIL-6、TNF-αなど、 ②逆にアルサス反応を抑制すると考えられるIL-10を測定する。
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