2014 Fiscal Year Research-status Report
隆起性皮膚線維肉腫発症に関与するmicroRNAの発現異常とシグナル伝達活性化
Project/Area Number |
26860886
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
梶原 一亨 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90433036)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | miR-205 / LRP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究計画では、隆起性皮膚線維肉腫の発症機序を明らかにし、新規診断方法および治療薬へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。計画している具体的な研究項目は、①隆起性皮膚線維肉腫におけるmicroRNAの発現解析②そのmicroRNAが制御し癌化に関与する蛋白質の探索③①および②で着目したmicroRNAおよび蛋白質による皮膚線維芽細胞増殖メカニズムの検証④診断マーカーもしくは核酸医薬および分子標的薬としての可能性の解析の4つである。 ①隆起性皮膚線維肉腫におけるmicroRNAの発現解析に関して 手術検体組織よりtotal miRNAを抽出し、miRNA の発現をPCR Arrayを用いて網羅的に解析した。正常組織>皮膚線維種(皮膚線維芽細胞の良性腫瘍)>隆起性皮膚線維肉腫(皮膚線維芽細胞の悪性腫瘍)と発現量を示したmiRNAの中で、各種癌にて高発現を示しているmiR-205に着目した。パラフィン包埋組織を用いてin situ hybridization法にてin vivoにおける、また培養細胞株を用いてreal time PCR法にてin vitroにおけるmiRNAの発現を検討したところ、いずれも隆起性皮膚線維肉腫にてmiR-205発現量が低下していた。 ②そのmicroRNAが制御し癌化に関与する蛋白質の探索 ターゲット遺伝子予測データベースであるTargetScan を用いて(version 5.2, http://www.targetscan.org/)、miR-205が発現制御する蛋白質であるLRP-1に着目した。パラフィン包埋組織を用いてin vivoにおけるmRNA量および蛋白質発現を比較したところ、LRP-1の増加を認めた。培養細胞株を用いても同様の結果であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者が所属する研究室には、皮膚疾患におけるmicroRNA研究エキスパートである神人准教授、皮膚線維芽細胞研究のエキスパートである尹教授が在籍しており、技術的アドバイスを受けながら実験を遂行しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は研究実績の概要で示した計画のうち、③①および②で着目したmicroRNAおよび蛋白質による皮膚線維芽細胞増殖メカニズムの検証④診断マーカーもしくは核酸医薬および分子標的薬としての可能性の解析を中心に行う予定である。
|