2014 Fiscal Year Research-status Report
有棘細胞癌における遺伝子変異誘導蛋白発現の検討と発症予防法の開発
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26860908
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山口 卓 産業医科大学, 医学部, その他 (40634374)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有棘細胞癌 / AID |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚組織パラフィン切片を遺伝子変異誘導蛋白AID(activation-induced deaminase)に対する抗体を用いて免疫組織化学を行う方法をまず検討した。抗体はインビトロゲン社よりマウス抗ヒトAIDモノクローナル抗体(クローンZA001)を購入した。パラフィン切片をキシレン、エタノールで脱パラフィン処理を行い、pH6.0の抗原賦活用バッファー中で15分間オートクレーブし、抗原を賦活化した。リン酸緩衝生理食塩水PBS(Phosphate buffered saline)で洗浄した後、過酸化水素水で5分間ブロッキングを行い、リン酸緩衝生理食塩水PBSで洗浄した。50倍希釈した抗ヒトAIDモノクローナル抗体(クローンZA001)と37度で1時間反応させた。リン酸緩衝生理食塩水PBSで洗浄した後、シンプルステイン(ニチレイバイオサイエンス)を30分間反応させ、リン酸緩衝生理食塩水PBSで洗浄した。蒸留水で1分間流水水洗し、マイヤーのヘマトキシリンで染色を行った後、流水水洗を10分行い、封入を行った。この染色法の結果、陽性コントロールであるリンパ節は陽性に染色され、陰性コントロールである一次抗体に抗ヒトAIDモノクローナル抗体を用いない染色では組織は染色されなかった。また、組織中のメラノファージなどとの区別のためアルカリフォスファターゼの付いた2次抗体と基質であるファーストレッドを用いたところ、赤色にも染色された。有棘細胞癌の組織をこれらの免疫染色法で染色したところ、AIDが発現している症例と発現がほとんど観察されない症例に分類され、予後について追跡調査を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗AID抗体による免疫組織化学法の方法が確立したため
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Strategy for Future Research Activity |
有棘細胞癌の抗AID抗体による免疫組織染色を行い、予後との関係などを検討する。
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Causes of Carryover |
平成26年度には免疫組織化学法が予定より順調に確立されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度にはさらに有棘細胞癌の組織を使いAIDの癌における役割を明らかにする。
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