2014 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療における経皮的挿入型体内緩徐吸収性スペーサーの基礎的研究と臨床応用
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26860970
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神宮 啓一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00451592)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 吸収型スペーサー / 体幹部定位放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請段階で吸収型スペーサーとして考えたゼライス(株)製の医療用高分子ゼラチンであるRM-100HSは、東日本大震災の影響で生産ラインの回復が遅れたため、年度最初には入手不可能であった。 RM-100HSよりも分子量の一段階低い50HSでは予備実験の結果、固形の状態でのマウス皮下では7日後で85%の体積残存であったが、1カ月後には約50%となっていた。このことから本研究の目標値としては不十分と判断した。当初の計画通りRM-100HS生産の再開を待つこととした。固形のRM-100HSは今年度途中より生産再開された。しかし、固形型のままではCTガイド下の刺入が困難であることから粒状の形状での生産再開を待つこととしたため研究開始が大幅に遅れた。今年度終盤に粒状タイプのRM-100HS生産再開の報告を受けて早速必要量を購入し、動物実験の準備に入った。 ゼライス(株)から得た試験的に生産された同素材の粒状サンプルでの予備実験ではマウス皮下に注入し、その膨らみの高さを見たが2週間後でもほぼ同程度の膨らみが残っていたこと、その後挿入部分に炎症所見を認めなかったことから、期待される性状を有しているものと判断し、当初の予定通り本素材を用いて動物実験の継続を予定している。小動物用CTを用いることにより客観的な残存体積評価を予定している。 既に臨床で用いられている素材であることから、動物実験の後にできるだけ早期に臨床応用する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前回の科研費による研究が遅れたこと、および吸収型スペーサーの素材として期待した素材の生産ラインの東日本大震災による再開遅延のため、当研究が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
RM-100HS粒状タイプの生産が再開となったことと以前採択された科研費による研究が修了したことで本研究へのエフォートが一層得られる体制になった。また研究補助員として大学院生1名と一緒に行うこととし、研究計画についてはそのまま遂行を予定している。
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Causes of Carryover |
本研究の根本となる吸収型高分子ゼラチンの生産再開遅延のため実験開始が遅れたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は動物実験を本格的に実施することから人件費等を含め使用を予定している。
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Research Products
(1 results)