2015 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療における経皮的挿入型体内緩徐吸収性スペーサーの基礎的研究と臨床応用
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26860970
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神宮 啓一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00451592)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 経皮注入吸収型スペーサー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、動物実験に関する倫理委員会承認の後、ICRマウス15週齢を5匹使用し、粉末の高分子ゼラチン(RM-100HS)を用いて、2種類の希釈方法の溶液を作成し、マウスの背部に0.3ccずつ注入し、day 0, 1, 3, 7, 14, 21, 35にCTを撮像した。2名の放射線科医により注入した溶液の輪郭を囲み、その体積変化を調査した。 その結果、高濃度溶液(1gの高分子ゼラチンを2ccの生理食塩水で溶解したもの)では注入後24時間で112+/-31%の体積増を認め、中濃度溶液(1gの高分子ゼラチンを4ccの生理食塩水で溶解したもの)では28+/-26%の体積増を認めた。day3以降day21までは高濃度では-11~+14%で、中濃度では-11~+2%の比較的安定した体積を維持していた。この結果から中濃度溶液としての注入が最適であると判断した。また中濃度溶液であれば21G程度の太さの針にて抵抗少なく組織内に注入可能であった。この中濃度溶液であれば、体幹部定位放射線治療を実施する程度の期間(放射線治療計画から照射終了までの平均14日程度)であれば安定したスペースの確保が可能であると証明できた。更に、day21以降、次第に吸収されていくことを確認した。注入部位などに目立った炎症反応や副作用を示唆するような身体異常は認めなかった。 この結果は北海道大学で行われたThe 3rd GI-CoRE Symposiumで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定したほとんどの動物実験が終了できている。
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Strategy for Future Research Activity |
経過中、マウスに目立った有害事象はなかったが、2016年4月からは病理標本にて確認していく予定である。 更には臨床応用していくために。既に承認されている使用法以外での適応拡大のため治験を組んでいく。
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Causes of Carryover |
動物実験の最後の段階がまだ終わっておらず、そのための病理標本作成費が減額となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記項目や研究成果発表目的に残額を使用予定である。
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Research Products
(2 results)