2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of radiation damage enhancement using collagen disease model mouse
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26860975
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
市川 真由美 山形大学, 医学部, 助教 (20466634)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線障害 / 膠原病モデルマウス / 放射線皮膚炎 / 放射線肺臓炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線障害が膠原病モデルマウスで増強するかを検討するためにMCH/lpr/lpr マウス(関節リウマチモデル)とNZB/W F1 マウス(SLEモデル)とC3H/Hejマウス(正常コントロール)を対象とした。まず、この3群4匹ずつに対し、全身照射7Gy/7frを施行し、照射後7,14,28,56,84日目に各臓器(肝、腎、肺、皮膚、唾液腺)の組織的評価を行ったが、疾患モデル群と正常コントロール群で有意な差は認められなかった。次に部分照射実験を行った。前述のマウス3群に対し、左肺以外を鉛ブロックし、20Gyと30Gyの単回照射を行った。評価方法としては皮膚炎スコア(Douglas et al; Radiation Reserch,1976)を用いて行い、照射終了後より週3回観察し、平均スコアの推移をみた。20Gy照射群では3群間で有意な差は認められなかったが、30Gy照射群では疾患モデルマウス2群ともにコントロールマウス群よりも最大スコアが高く、その推移も遷延した。 また、照射後7、14、28、56、84日目に照射部位の背部皮膚および左肺と照射されていない右肺を摘出し、組織学的評価を行った。皮膚では各群ともに照射後28日経過したもので表皮肥厚が目立ち始めた。56日経過したものではコントロール群で表皮肥厚が正常化してきていたが、疾患モデルマウス群では共に表皮肥厚が著明で、この反応は84日でも観察された。また、その程度はNZB/W>MCH/lpr/lprであった。肺の組織学的評価では、各群ともに対側の非照射肺に比べ、日数が進むごとに間質の肥厚や炎症細胞の浸潤がみられるようになったが、その程度はMCH/lpr/lpr>NZB/W>C3H/Hejであった。これらの結果から、コントロールマウスに比べ、膠原病疾患モデルマウスでは照射部位の放射線皮膚炎、肺臓炎が増強すると考えられた。
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