2015 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生と発癌におけるSirt1-オートファジーシグナルの役割と革新的治療法の探索
Project/Area Number |
26861083
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
戸島 剛男 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40608965)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 肝再生 / 肝切除 / オートファジー / 脂肪肝 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、オートファジーの制御を利用した肝再生治療実用化を目的として、まずは正常肝及び病的肝(脂質代謝異常に基づく脂肪肝・非アルコール性脂肪肝炎・糖尿病など)における再生肝のオートファジーの役割を明らかにした。 具体的には、Cre-loxPの系を用いて、肝特異的にオートファジー関連遺伝子(Atg5)のノックアウト(KO)マウスを作成した。さらに、脂肪肝モデルとしてdb/dbマウス、コントロールとしてdb/+マウスを用いて以下の検討を行った。(1)70%肝切除モデルにおける生存率・肝再生率の比較。(2)肝再生時の血清ALT値の評価。(3) AP関連タンパク質発現の経時的変化の比較。 結果として、db/dbマウスはdb/+マウスに比し、(1)有意に肝切除後の生存率が低く、肝再生率の遅延を認めた。(2)肝再生時における血清ALT値は有意に高かった。(3)オートファゴソーム数は有意に少なく、AP関連タンパク質であるAtg5の発現低下を認めた。 以上の結果より、脂肪肝部分切除後においてAtg5の発現低下によりオートファジーの機能が低下している可能性があり、病的肝の再生時のオートファジーの役割解明につながるとともに、特に病的肝における肝再生率回復を図るための重要な基礎実験となると確信している。
|
Research Products
(1 results)