2014 Fiscal Year Research-status Report
CD271を発現する肺癌幹細胞の解析と治療戦略への応用
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26861132
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
菅原 早百合 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 特任研究員 (10728190)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 / がん幹細胞 / 扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
非小細胞肺癌 (NSCLC)は、世界的に発症が多い悪性腫瘍であり、最も致死的であるといえる。自覚症状に乏しいことも多く、進行癌として発見される症例も多い。転移や再発が多く、放射線療法、化学療法を施行しても予後不良例が多い。本課題では、扁平上皮癌のがん幹細胞(CSC)マーカーとして申請者らが同定したCD271に着目し、「肺扁平上皮癌幹細胞」における機能解析と臨床応用に取り組む。具体的には、①肺癌「がん幹細胞」の機能発現におけるCD271細胞内ドメインの果たす役割は何か?、②がん幹細胞性の発揮に関わるエフェクター分子および複合体は何か?③CD271の活性化するパスウェイおよび標的遺伝子は何か?、④CD271を標的とした特異的治療法の開発は可能か?の4点を検討する。これらのアプローチによりCD271陽性がん幹細胞群に関する研究を展開し、肺がん幹細胞の新たな標的を探索した。細胞内領域を欠損させたCD271の過剰発現株を作成し、超免疫不全マウス(NOG)に移植したところ、腫瘍形成能が低下した。腫瘍形成には、CD271の細胞内領域が必要であると考えられた。さらにCD271の下流シグナルが重要と考えMAPK, JNK,p38などのシグナルに着目した。siRNAを用いてCD271をノックダウンすることに成功したため、同条件下で造腫瘍能に関するパスウェイを解析した。ERKには顕著な差異が認められなかったが、JNKおよびp38シグナルが減少していた。以上の結果から、CD271は扁平上皮癌の癌細胞性質を付与する機能分子であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞を用いた解析が予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、肺癌幹細胞の解析を行う。当初研究計画から特に変更はない。
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Causes of Carryover |
超免疫マウスの解析に時間がかかるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品試薬類およびマウス購入に充当する。
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Research Products
(1 results)