2016 Fiscal Year Annual Research Report
Statin ameliorates lipopolysaccharide-induced dysfunction of blood-brain barrier
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26861156
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40437869)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血液脳関門 / スタチン / 脳虚血 / 中枢神経系疾患 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
in vitro BBBモデルとして多孔質(0.4μm、3.0μm pore size)の半透膜をもつ立体培養皿(Transwell®)を用い共培養モデルを作製した。モデルは、液性因子のみの影響を受けるモデルと、内皮細胞とペリサイトまたはアストロサイトが接触できるモデルを作製し、更に3種類の細胞を同時に共培養したモデルも含め7種類のモデルを作製した。作製した複数のBBBモデル及び以下の病態モデルに1 ng/mLのLPS(lipopolysaccharide)を添加し、24時間後にEVOM抵抗計(Volt-Ohm resistance meter)を用いた経内皮電気抵抗値 (transendothelial electrical resistance, TEER)及びsodium fluorescein (小分子(376Da)のparacellular transport)の透過性試験を行った。また、培養液を血管腔側と脳側よりそれぞれ別に回収しサイトカインアッセイを行った。1 ng/mLのLPS添加により、有意にTEERの低下及び透過性亢進が確認された。またIL-6、G-CSF、KC、MCP-1、RANTESといった炎症性サイトカインの上昇が確認された。これらのサイトカイン上昇はピタバスタチン10nMを添加することで抑制されることを確認した。脳内炎症を抑えることは、脳梗塞のみならず、多くの中枢神経系疾患において重要であるため、今後そのメカニズム解明に着手する。
研究計画書記載どおり、炎症モデルにおけるLPS濃度設定など順調に進展している。この過程で得られた知見を既に論文報告した。さらにスタチン投与により炎症性サイトカイン発現を抑えることを明らかにしたため、現在論文作成中である。
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