2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26861267
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹澤 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(学士) (90648015)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 過活動膀胱 / 5-HT3受容体 / 膀胱炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
過活動膀胱は、強い尿意や頻尿、尿失禁のためQOLが著しく低下する疾患である。高齢化とともに患者数が急速に増加しているが、治療抵抗性の症例が多く、問題となっている。近年、痛みの研究において、セロトニン受容体の一つである5-HT3受容体が痛み知覚に関与している事が分かってきた。申請者は、膀胱知覚においても5-HT3受容体が重要な役割を果たしており、過活動膀胱にともなう異常な尿意に対する治療ターゲットとなるのではないかと考えた。平成26年度には膀胱機能における5-HT3受容体の役割を解析し、5-HT3受容体作動薬や拮抗薬、5-HT3受容体ノックアウトマウスを用いた実験により、5-HT3受容体の活性化が頻尿を引き起こすことを明らかにした。平成27年度には、膀胱炎にともなう病的頻尿における5-HT3受容体の役割解析、および膀胱知覚求心路における5-HT3受容体の分布を検討した。まず、野生型マウスおよび5-HT3受容体ノックアウトマウスの膀胱に大腸菌由来リポポリサッカライドを注入し、膀胱炎モデルを作成し、膀胱機能を解析した。結果は、どちらのマウスも頻尿となったが、ノックアウトマウスでは頻尿の程度が軽度であった。また、野生型マウスの膀胱炎モデルにおいて、5-HT3受容体拮抗薬を投与すると頻尿が軽減された。以上から、5-HT3受容体の活性化は、膀胱炎に伴う頻尿を誘発すると考えられた。次に5-HT3受容体を発現する細胞がGFPを発現する遺伝子改変マウスを導入し、膀胱知覚神経における5-HT3受容体の分布を検討し、5-HT3受容体は膀胱知覚神経の神経細胞に豊富に発現していることを発見した。これらの結果から「膀胱一次求心性神経細胞に発現する5-HT3受容体の活性化が、膀胱炎に伴う頻尿を引き起こす」という5-HT3受容体を介した新しい膀胱知覚亢進機構が明らかとなり、5-HT3受容体が過活動膀胱などの膀胱知覚亢進疾患の新規治療ターゲットとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)