2014 Fiscal Year Research-status Report
糖転移酵素C2GnTによる絨毛細胞の浸潤機序の解明と治療への応用
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26861323
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 薫 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20571334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 絨毛癌 / hCG / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床検体を用いた絨毛性疾患及び胎盤組織におけるC2GnTの発現を検討した。胞状奇胎、侵入奇胎及び絨毛癌での発現量の変化を確認し、本酵素が絨毛性疾患の悪性化や胎盤形成(EVT浸潤)に関与する分子となり得るかを検討した。 1、患者からのインフォームドコンセントを得て集積した絨毛性疾患(胞状奇胎10例、侵入奇胎4例、絨毛癌8例、PSTT3例)より組織切片を作成した。抗C2GnTポリクローナル抗体を用いてC2GnTの免疫組織染色を施行し、絨毛癌で発現が強い傾向にあることを確認した。 2、絨毛癌細胞株Jar, Bewo, JEG-3, CC1, CC3, CC4, CC6およびEVT細胞株HTR-8/SVneo、さらに絨毛性疾患組織と胎盤検体の一部から蛋白およびmRNAを抽出し、それぞれウエスタンブロットおよびRT-PCRにて発現量を評価した。絨毛癌細胞株、絨毛癌組織においてC2GnTの蛋白、mRNAは強発現していた。また、細胞株の培養上清におけるregular hCGとセリン結合型H-hCG値を測定するH-hCG値を測定した。絨毛癌細胞株Jar, Bewo, JEG-3のmRNA発現強度とH-hCGのhCGにおける割合は相関していた。 3、上記結果より、C2GnTが絨毛性疾患の悪性化に関与していると考えられたため、C2GnTの機能解析を行うために発現抑制モデルを作成した。絨毛癌細胞株JarにC2GnT siRNAを導入し、C2GnTの発現量をウエスタンブロットで解析し、発現が抑制されていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に予定していた絨毛性疾患組織切片のレクチン染色は、トマトレクチン抗体の購入が遅れたため行うことができなかったが、平成27年度予定のC2GnT siRNA作成を先に始めることができたため、研究の進行としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
C2GnT発現抑制した絨毛癌細胞株Jarを用いて機能解析を行う。また他の絨毛癌細胞株にもsiRNAを導入して実験を行う。
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