2015 Fiscal Year Annual Research Report
メチルグリオキサールによる骨芽細胞分化制御機序の解明
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26861558
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉村 健太郎 昭和大学, 歯学部, 助教 (10585699)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 石灰化 / メチルグリオキサール / AGEs / ナノインデンテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は代表的な糖代謝異常疾患であるが、近年、糖尿病の新たな合併症として骨粗鬆症が注目されている。インスリン依存性の1型糖尿病では骨芽細胞のインスリンシグナルが不足することにより骨形成が低下することが知られている。一方、インスリン非依存性の2型糖尿病では『骨量は減少しないが骨折リスクは上昇する』という特徴がある。その理由として、骨基質が終末糖化産物(AGEs)によって糖化変性し、劣化することで『硬くて脆い』骨になり脆弱性を示すと考えられているが、高骨密度が維持される機序については不明である。 我々は、2型糖尿病で血中濃度が増加するAGEsのひとつとしてメチルグリオキサール(MG)に着目し、MGが骨芽細胞の分化・石灰化能に及ぼす影響について細胞レベルで解析を行った。前年度はin vitroにおける骨芽細胞分化誘導系として筋芽細胞株C2C12細胞をリコンビナントヒトBMP-2で刺激し骨芽細胞分化を誘導した。今年度は、石灰化部物の形成におけるMGの影響を検討するために骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞をコラーゲンコートプレート上で培養し、石灰化誘導培地で骨芽細胞分化を誘導し、形成された石灰化物の物性をナノインデンテーション法を用いて解析した。 MC3T3-E1細胞の培地中にMGを添加すると、形成された石灰化物は対照と比べて硬さが増し、粘弾性が低下していた。これは形成された石灰化物が対照と比べ硬く、脆い性質を示したと考えられた。以上より、グルコースの代謝産物であるMGは石灰化物の物性を変化させることで2型糖尿病の骨質に影響を与える可能性が示唆された。
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[Journal Article] Localization and osteoblastic differentiation potential of neural crest-derived cells in oral tissues of adult mice.2015
Author(s)
Ono M, Suzawa T, Takami M, Yamamoto G, Hosono T, Yamada A, Suzuki D, Yoshimura K, Watahiki J, Hayashi R, Arata S, Mishima K, Nishida K, Osumi N, Maki K. Kamijo R.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 464
Pages: 1209-1214
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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