2015 Fiscal Year Annual Research Report
Notch1-Fbxw7シグナル異常による口腔癌モデルマウスの開発
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26861585
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
田中 宏樹 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍医化学部, リサーチレジデント (20725452)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 染色体異数性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の1つである、新規発がんマウスの開発は、当初の目的のマウスではないが、中間径フィラメントの1つであり筋肉細胞に高発現するデスミンの分裂期特異的にリン酸化部位に変異を入れた、リン酸化不全型のノックインマウスの作製に成功した。本マウスはリン酸化不全により細胞質分裂障害がおき、結果として染色体異数性が起きることが予期される。その結果、筋肉組織における染色体異数性を示す細胞が出現すると考えられ、がん化するか、老化の表現型を示すか実証できる。さらに、我々は、デスミンのリン酸化部位特異的な抗体の開発に成功した。本抗体は、筋肉組織由来の腫瘍、例えば横紋筋肉腫の有用なマーカーとして利用できる可能性が充分考えられる。 これまで、染色体異数性が老化に向かうことを示したビメンチンの変異マウスを用い、3-メチルコラントレインの皮下投与による化学発癌試験をおこなった。その結果、腫瘍の形成および腫瘍による個体死に関して、ビメンチンの変異マウスで遅延することを認めた。さらに、腫瘍を詳細に検討したところ全ての野生型および変異型マウスで線維肉腫(fibrosarcoma)を発症した。FISH解析により、染色体異数性を調べるとすべての遺伝子型において染色体異数性を認めた。この結果は、腫瘍形成の初期においては、細胞老化ががん化の障壁になっていることを示しているが、いったんがん化すると、染色体異数性を示す細胞は増殖し腫瘍塊を形成することが明らかになった。
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