2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of functional hypofunction following botulinum neurotoxin injections on craniofacial growth and development of masticatory function.
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26861795
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
内海 大 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (80622604)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 / 咀嚼運動メカニクス / ボツリヌストキシン / マウス / ハイスピードカメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
オスICRマウスを用いて、閉口筋である咬筋および側頭筋に対してボツリヌストキシンを注入して機能低下モデルを構築した。 両側咬筋にボツリヌストキシンを注入した咬筋機能低下群、両側側頭筋にボツリヌストキシンを注入した側頭筋機能低下群において、筋活動記録および3次元顎運動計測を行った。当初の予定通り、ボツリヌストキシンを注入した筋では咀嚼運動時の筋活動量および筋活動時間の減少がみられた。一方で機能低下していない方の筋活動に増加は認められなかったことから、急性実験においては、それぞれの筋機能低下に対する他筋の補償は働かないことが示唆された。顎運動については、咬筋機能低下群で咬合相における顎運動軌跡の安定性が低下した。また、側頭筋機能低下群では、マウスにおける食物粉砕臼磨期の下顎移動距離が減少し、同時間も減少する傾向にあった。これらのことから咬筋は食物の粉砕臼磨において下顎骨を安定させ咀嚼運動を最適化していること、側頭筋は粉砕臼摩距離を増加させるために下顎骨を後方牽引し、結果として咀嚼効率を増加させていることが示唆された。 以上の結果から、咀嚼筋の一部に障害がおこることで咀嚼様式全体に影響を及ぼすことがわかった。形態に及ぼす影響や成長発達期における影響については現在解析中である。
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