2014 Fiscal Year Research-status Report
造血幹細胞移植における口腔管理及び慢性口腔GVHDの病態解明に関する検討
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26861848
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐久間 英規 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (60453065)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 造血幹細胞移植 / 口腔管理 / 慢性GVHD |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞移植は、近年は骨髄移植のみだった移植法も多様化し、適用は高齢者にも広がり、移植成績が向上するにしたがい慢性GVHDが生命予後に影響を与える因子として問題になっている。また移植対象の高齢者が増えることで移植前後の口腔管理が重要になってきている。本研究の目的は、①造血幹細胞移植患者の口腔内環境の調査、GVHD患者の口腔衛生状態、口腔内環境の調査を行い検討する。その結果から造血幹細胞移植患者の口腔管理法を検討し口腔有害事象を減少させることである。②慢性GVHDの口腔内病変を病理学的、免疫学的に明らかにすることである。当該年度は、造血幹細胞移植患者のデータベースを作成するために、過去5年分の患者基本情報(原疾患、移植法、血培結果、急性GVHDの有無、慢性GVHDの有無など)、口腔内の基本情報(口腔内基本検査、X線所見、口腔有害事象の有無、移植前後の歯科処置の有無、口腔慢性GVHDの有無、口腔乾燥の有無、味覚障害の有無)を収集し、一部の情報については解析を行った。造血幹細胞移植時の口腔管理については、実際に口腔管理を行うことで現在データを収集している。口腔慢性GVHDの診断を得るため口唇生検を実施している。その検体を用いてHPV感染の有無を検討するため、p16免疫組織染色を行った。結果は造血幹細胞移植患者の口唇粘膜、小唾液腺では高頻度でHPV感染を示唆する結果であった。またHPV感染の検討に関しては分子病理学的解析を行うために、口唇生検の検体(パラフィン切片)からDNAを抽出して予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた検討内容はほぼ実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに今年度も研究を行う。また定期的に研究協力者に研究方法、結果について意見をもらい、問題がある場合は計画を修正していく。
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Causes of Carryover |
前年度の分子病理学検討で、予定していた高額な試薬を購入せずに予備実験ができたために、次年度に繰り越し金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度については、分子病理学検討で試薬類を購入する予定であるため、前年度分と翌年度分を使用する。また研究成果についても学会で発表、論文を作成するために助成金を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)