2015 Fiscal Year Research-status Report
ストレス対処能力の高い医療チームリーダーを育成するEラーニング教材の有効性の検討
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26861852
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
横野 知江 (西澤知江) 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50579597)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 皮膚・排泄ケア認定看護師 / 褥瘡 / 調整力 / ストレス対処 / Eラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度に行った教育プログラムの介入結果をもとに、①対象者はプログラムをどのように使用したか、②プログラムを実施することで、メンタルヘルスはどのように変化したか、③プログラム修了者の特徴は何か、④今後役立つプログラムにするための改善点は何か、の4つの観点からプログラムの有効性を評価した。①については、対象となった皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN)80名のうち、最終的にプログラムを修了した者は36名であった。このうち、事後調査まで実施した者は10名であった。②については、事後調査まで実施した10名における介入前後の調整力尺度、心理的well-being尺度の得点について比較した結果、いずれも有意差は見られなかった。③については、修了者群36名と中断者群のデモグラフィックデータと調整力尺度、心理的well-being尺度、K10尺度、SOC尺度、WOCN特有のストレスアンケートを比較した。その結果、中断群と比べ、修了群の方が調整力尺度における病院管理者に対する調整力項目およびSOC尺度における把握可能感項目の得点が有意に低かった。④については、プログラム終了時に対象者にメールにてプログラムの感想・意見について回答を依頼し、得られた回答について内容分析を行った。その結果、回答者数は15名で、ポジティブな感想として、【ストラテジー習得】【勇気づけられる】、ネガティブな感想として、アンケートの【物理的負担】、システムの【操作の煩雑さ】、意見として、講義内容に関して【他では学べない内容】を希望するなどのカテゴリーが抽出された。以上より、本プログラムの有効性について、修了者が少なく、アウトカム評価での有意差は見られなかったが、ポジティブな感想や改善点に関する意見があり、改善の余地があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通りに教育プログラムの評価検証を実施することができた。また、評価にとどまらず、今後プログラムの実用可能性の観点から改善点を検討することができた。理由としては、平成27年度に計画していた教育プログラムの効果検証試験を平成26年度に実施することができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の検証結果を踏まえ、本プログラムの実用可能性を高めるため、プログラムコンテンツに修正を加える予定である。具体的には、プログラムの負担感の軽減及び、調整力やストレス対象力に対して問題意識が高い対象者のニーズに合った内容とするため、プログラム構成を調整力教育と事例から学ぶ褥瘡管理に関するストレスマネジメントの2つに絞る予定である。延長期間を使い、プログラムの修正、改善し、最終的にはWOCNの大半が会員となっている日本創傷・オストミー・失禁管理学会のホームページにプログラムを掲載することを計画している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、検証結果から、本プログラムの実用可能性を高めるため、プログラムコンテンツに修正を加える必要性が出てきたからである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
修正計画として、プログラム構成を調整力の教育と事例から学ぶ褥瘡管理に関するストレスマネジメントの2つに絞る予定にしており、内容の精選にかかる費用を計上している。また実用化に向け、システム構築費用としても予算を充てる予定である。
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Research Products
(3 results)