2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861858
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
前山 さやか 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10725295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 倫理的感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は看護師の倫理的感受性尺度の作成の導入として、日本語版MSQの見直しを行った。また、開発する尺度の概念枠組みの設定および項目案について検討中である。 1.日本語版MSQの見直し 尺度作成の導入として、日本語版MSQについて再度因子分析を行い、結果を多角的に検討した。因子分析では、初回の分析において2因子が抽出され、尺度の信頼性を示すクロンバックα係数は、第1因子は0.77、第2因子は0.72であり、尺度全体では0.79であった。次にオリジナルの尺度が3因子からなる因子構造であることを踏まえ、因子数を指定し分析を行った。いずれも下位尺度の項目はオリジナルの尺度とは異なる構成であったが、尺度全体のクロンバックα係数は0.79であり、内的整合性が確立していることが確認された。また、因子負荷量0.5未満の項目を除外した場合の分析では、尺度全体のクロンバックα係数が0.81と上昇する結果となり、尺度項目に含めるのに適さない内容に関して目安を立てた。尺度の妥当性については主成分分析を再度行った。その結果、2成分が抽出され全分散のうち2つの主成分で説明される部分は55.6%であった。第1主成分は「倫理的感受性」と解釈することができ、第2主成分は項目3,4,5,8が正の重み、項目1,2,6,9が負の重みで示された。今後、構成概念妥当性を検討するために、探索的因子分析と確認的因子分析を行い、因子構造を確認する。 2.開発する尺度の概念枠組みの設定 因子分析の結果、オリジナルの尺度と因子構造が異なるため、再度下位尺度について項目内容の解釈を行った。また、先行文献を検討し、看護師の倫理的感受性を表す内容について概念枠組みを検討した。仮説枠組みは、「倫理的気づき」、「倫理的責任」、「倫理的困難感」で構成することとした。現在、開発する尺度の仮説枠組みに従い、先行文献を検討して項目リストを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
看護師の倫理的感受性尺度の作成の導入として、日本語版MSQの再分析を行ったが、その分析および結果の解釈に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに作成した看護師の倫理的感受性尺度について、内容妥当性、表面妥当性および信頼性を以下の手順で検証し、本調査に向けて準備を進める。 1.内容妥当性 新たに作成した看護師の倫理的感受性尺度について、看護師として臨床経験のある5名以上を対象とし質問紙調査を行い、看護倫理学を専門とする看護学研究者、あるいは保健学および看護学分野の研究者2名とともに、質問内容や表現方法が妥当であるかを検討する。 2.表面妥当性および信頼性 新たに作成した看護師の倫理的感受性尺度について、看護師として臨床経験のある10名以上を対象に、パイロットスタディを実施し、質問の表現について、答えやすさや理解しやすさ等に関して意見をもらい、最終的により多くの看護師が理解しやすい日本語表現となるよう修正を行う。尺度の信頼性については、クロンバックα係数を算出し、内的整合性を確認する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、旅費や人件費および謝金において支払いが発生しなかった。そのため、当該年度所要額との間に差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は尺度の作成および調査において、旅費や謝金が発生することが予想されるため、前年度分と合わせた助成金を計画的に使用していく。
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