2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26861861
|
Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
長谷川 智之 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (40588183)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 心肺蘇生法 / 胸骨圧迫 / 姿勢 / 医療現場 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療現場ではベッド上に跪く姿勢で胸骨圧迫を実施することがある.この方法は,ベッドの高さや医療者の身長の違いが心肺蘇生の質に影響するため,それらを相殺することが目的であると考えられるが,本姿勢における胸骨圧迫の質は明らかとなっていないため研究を行った. 大学女子学生15名に実験協力の依頼を行い,胸骨圧迫の基本姿勢である床上での膝立姿勢(以下:floor)およびベッド上での膝立姿勢(以下:bed)の2条件でそれぞれ2分間連続した胸骨圧迫を実施し,質の比較検討を行った.2条件の姿勢の違いは,床に下腿が接地しているか否かである.測定項目は胸骨圧迫の深さ,VASによる主観評価(全身の疲労感,有効性(十分な圧迫ができたか),安定感(姿勢のゆらぎ),肩,腕,背,腰,腹,大腿,腓腹の各部位の疲労感)および表面筋電図(上腕三頭筋,三角筋,僧帽筋,脊柱起立筋,外腹斜筋,大腿直筋,大腿二頭筋,腓腹筋)とした. その結果,bedでは,有効な胸骨圧迫を維持することができず,時間経過に伴い圧迫の深さは浅くなった.また,下腿の上下動に伴い,胸骨圧迫時に支点となる膝や臀部の動揺が認められたことや,支持基底面が狭いため,筋活動もfloorとは異なり,力を上手く利用することができていなかった.したがって,ベッド上に跪く姿勢で胸骨圧迫を実施することは,効果的ではないことが明らかとなった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、平成28年度は実験2を開始できるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の実験結果から、ベッド上に跪く姿勢で胸骨圧迫を実施することは,効果的ではないことが明らかとなったため、これらを効果的に実施するための方策を検討する必要がある。現段階では、人間工学を応用した方法を検討している。
|
Causes of Carryover |
一昨年度購入予定であった備品が、購入不要となったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に伴う消耗品および人件費に充てる。
|
Research Products
(2 results)