2020 Fiscal Year Research-status Report
がん臨床試験に参加する再発・進行がん患者の意思決定を支援する看護プログラムの開発
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26861899
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
熊谷 理恵 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (80405125)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 意思決定支援 / がん臨床試験 / がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,がん臨床試験に参加するがん患者の意思決定支援看護プログラムを開発することである. 一昨年度は,がん看護専門看護師などのがん看護の専門的資格を有する看護師12名にインタビュー調査を行い,がん臨床試験における意思決定支援の項目案を抽出し,内容妥当性および表面妥当性の検討を行い,項目案の精度を高めた. 昨年度は,精度を高めた項目案を用いて,全国のがん診療連携拠点病院および臨床研究中核病院に勤務する看護師1,391名を対象に質問紙調査を行った.質問紙調査の期間は,2020年6~9月である.分析方法は,項目分析,探索的因子分析,確証的因子分析,信頼性(内的整合性)の検討,妥当性(構成概念妥当性)の検討である. 項目分析によって63項目から32項目へ項目案を精選した.その32項目で探索的因子分析を行い,3因子(25項目)で収束した.また,25項目全体のα係数は.959,各因子のα係数は,.841~.944で内的整合性が確認された.3因子で確証的因子分析を実施し,モデル適合度にて構成概念妥当性が確保されたことを確認し,がん臨床試験における意思決定支援看護指針が作成された. 前述で明らかとなった本指針をがん臨床試験による治療経過とケア実施の順序性に合わせて,意思決定支援看護指針マトリックス化を行った.がん看護専門看護師やがん看護研究による専門者間で,本マトリックスの妥当性を検討し,支援項目の実施時期の一部を修正た.また,臨床事例(2事例)を用いて,事例に実施していた看護ケアと本指針の項目の一致状況を確認した.本指針の項目は,事例1では25項目中20項目(80%一致),2事例目では25項目中23項目(92%一致)が該当し,実用可能性が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国のがん診療連携拠点病院および臨床研究中核病院に勤務する看護師を対象に質問紙調査を実施できため.また,がん臨床試験における意思決定支援看護指針の作成および本指針のマトリックス化作業が終了し,その妥当性および実用可能性が確認できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね調査および分析は終了することができたため,今後は臨床への還元のための学会発表および論文執筆を実施していく.
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Causes of Carryover |
これまで研究成果報告のための学会発表や論文執筆および論文投稿が未実施であるため
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