遺伝性乳がん卵巣がん遺伝子検査受検者および遺伝子検査陽性者のサポートツールの開発

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26861909
• Research Institution: St. Luke's International University
• Principal Investigator: 吉野 美紀子(青木美紀子) 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (30434187)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 遺伝カウンセリング / 遺伝性乳がん卵巣がん症候群 / プレバイバー

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の遺伝子検査を受検するか否かを考える人々および遺伝子検査の結果、BRCA1/BRCA2の遺伝子変異を有していることが判明した人々（以下、遺伝子検査陽性者）のニーズを明らかにし、サポートツールを開発・評価することである。平成２６年度は、遺伝子検査受検者の意思決定の影響要因・関連要因およびＢＲＣＡ遺伝子検査陽性者のニーズを明らかにするために、欧米の先行研究、Ｗｅｂ等に公開された情報を検討することを計画した。
まず文献検討にあたっては、遺伝性乳がん卵巣がん症候群に限定せず、Lynch症候群やLi Fraumeni症候群など他の遺伝性腫瘍にも広げ、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の特性を考察した。遺伝性乳がん卵巣がん症候群の遺伝子検査実施にあたっては、乳がんの罹患の有無、卵巣がんの早期発見の困難性など、疾患特性に関連した要因が影響していることが推察された。また具体的なサーベイランスが提示されることも特性のひとつであることが示唆された。遺伝子検査を検討する時点で癌を発症していたか否か、癌の手術前か後かといったことも遺伝子検査実施を検討するにあたっての重要な要素となる可能性もある。平成２７年度以降の研究実施にあたっては、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の遺伝子検査を受けることを考えた時期・きっかけが重要な視点となることが示唆された。またこれらの視点はＢＲＣＡ遺伝子検査陽性者のニーズとどのような関連があるのか、今後検討する必要がある。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

文献検討に当初の予定以上の時間を費やしてしまったが、それによって得られた視点は有意義であったと考える。

Strategy for Future Research Activity

今年度はインタビューを実施し、それらをもとにサポートツールを作成する予定である。

Causes of Carryover

文献検討や情報収集のための学会・研究会参加に研究費を使用し、人件費・謝金等で使用しなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は研究対象者や研究データ整理等に研究費を使用する予定である。また研究実施に向けて印刷費用等も発生することとなる。