2014 Fiscal Year Research-status Report
精神看護場面における対人状況を表す概念モデル構築:BPD患者の行動化への対応から
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26861973
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
清水 隆裕 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (60584985)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精神科看護 / 治療構造 / 境界性パーソナリティ障害 / 看護対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の全体構想は、精神看護全体に共通する、精神看護場面における対人状況の理解のための立体概念モデル構築と、精神看護学分野で扱う視覚的な教材開発である。 本研究の具体的な目的は、次の1から3である。1.1つの精神科病棟内の看護師を対象に、境界性パーソナリティ障害(以下BPD)患者の行動化へのチームとしての対応方法を、インタビューから質的記述的に分析し、先行研究で構築したモデルを元に概念モデル化する。2.複数病院の看護師を対象に、BPD患者の行動化への対応方法をインタビューから質的記述的に分析し、概念モデル化する。3. 1・2の結果から、BPD患者の行動化に対する、看護場面での対人状況を概念モデル化する。概念モデルから看護対応の意味と課題の検討、精神看護学分野で扱う教材化への検討を行う。 平成26年度は、A精神科病院急性期病棟の看護師5名を対象に、BPD患者B氏におけるアピール行動へのチーム内での対応方法を、インタビューから質的記述的に分析した。その結果、チーム内でのアピール行動への対応方法は【患者のアピール行為と対決する】【行動化している感情を受け止め安心感を提供する】【自分で自分の責任をとれるように成長を促す】【自分にとって安全なチーム関係を維持する】【自分に労力がかからないような消極的な対応をとる】【心理的距離を保ちながらも心配している気持を返していく】【病棟の人的治療環境を維持する】【情緒的なやり取りにならない方策を用いる】8のカテゴリーが抽出された。現在は、その8つのカテゴリーを、構築済みである概念モデルに当てはめて再構成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究目標、1つの精神科病棟内の看護師を対象に、BPD患者の行動化へのチームとしての対応方法を、インタビューから質的記述的に分析し、先行研究で構築したモデルを元に概念モデル化することであった。現在、その目的は達成されており、すでに平成27年度の研究目標である複数病院の看護師を対象に、BPD患者の行動化への対応方法についてインタビューを行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の目標として、BPD患者の行動化に対応したことのある看護師10名程度のインタビューを予定している。コネクションが確立されている病院だけでは、研究対象の看護師が確保できない可能性があるため、A県内すべての精神科病院の看護部長に連絡を取って研究協力を依頼する。また、精神科看護に関する学会に積極的に参加し、コネクションや情報共有を行って研究対象者を確保していく。
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Causes of Carryover |
当初、複数の学術集会参加のための旅費を計上していたが、当該年度においては学術集会会場が近場が多かったため、当初の予定通りの費用が掛からなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、A県のみならず他県へのインタビュー調査も視野に入れているため、その旅費として使用する予定である。また学術集会場が遠方が多いためその旅費に使用する予定である。
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