2014 Fiscal Year Research-status Report
地域に住む精神障がい者と老親へのサポート体制構築に向けての基礎的研究
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26861977
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
石飛 マリコ 福岡大学, 医学部, 助教 (00571308)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中年期 / 女性統合失調症患者 / 老親 / サポート体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
中年期女性統合失調症患者5名に老親とのつきあいや将来についてどのように考えているか、親の老いについてどのように考えているかなどの半構成的インタビューを行った。対象者は、先行研究のようにセルフケア能力が男性より高い印象を受けた。困った時に頼れる人は、いないと回答する対象者がほとんどでセルフケアが高いため自分で解決しているケースもあるが、親が前もって解決しているという語りがあった。また、将来のことに関して考えているが、親に依存しているというよりは、親のほうが子に対して、自分たちがまだ元気だから心配しなくてよいと対象者の自立から遠ざける関わりをしている様子がうかがえた。また、女性ということで、先行研究の男性統合失調症患者と比較すると親子との会話はよくなされている。しかし、対象者のほうが親の関わりを煩わしく感じているという表現がなされていた。また、結婚というキーワードが出てくるケースが多く、男性より家庭を持ちたいという希望が見受けられた。男性統合失調症患者の場合は就職したいという発症前の自分を取り戻したという表現が見受けられたが女性ではほとんど見受けられなかった。「大人になった」という表現があり、男性には感じられない自分の変化に女性は気づいているのか、男性と比較すると自信を獲得しているのかをさらにインタビューで深めていく必要性があり、性別を考慮した支援を検討することの重要性があらためて見出されている。現段階で分析を行っているが、さらに対象者を増やし分析を深めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年~28年の3年間で26年度および27年度は調査を予定していた。26年度の調査は実施したが、対象者の選定基準が厳密であるために対象者が予定対象者数に達していない。研究協力を6か所に行ったが、統合失調症患者のインタビューに対し、業務上の負担のため協力を得られないことがあった。引き続き、調査期間を延長し、また調査協力施設の地域を拡大しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者の職場が変更となったため、研究開始が遅れているが5月中には研究計画書作成と倫理審査申請を行い、同時並行で研究協力施設を応募、確保し内諾を得、対象者選定を依頼する。インタビューガイドを作成し、中年期女性統合失調症患者を子にもつ老親に2名にプレインタビューを行いインタビューガイドの精錬を行う。その後、インタビューを実施する。対象者は前年度の研究協力施設で数名協力の承諾を得ている。
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Causes of Carryover |
大学において看護教育に重点を置き、仕事を進める必要があったことおよび研究者の所属変更によって、研究実施に支障が予測されたため研究進行を年度末でいったん中断する必要が生じたため調査が遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は、老親に対するインタビューを予定していることと26年度の調査を再開しインタビューおよび分析を進める。学会発表や分析のスーパーバイズ、情報収集のため関連の学会に参加する。
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