2017 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for the development of a support system for community-dwelling people with mental disability and their aged parents
Project/Area Number |
26861977
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
石飛 マリコ 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (00571308)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中年期女性統合失調症患者 / 老親 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、中年期女性統合失調症患者(以下当事者とする)に対する1名の追加インタビューを、老親へのインタビューは、16名実施した。 対象者の背景は、当事者は平均年齢45.8歳、地域生活維持期間は1年から8年だった。老親は、平均年齢が74.6歳で母親が13名、父親が3名だった。子どもの性別は男女各々8名で、平均年齢は47.6歳だった。 分析結果、当事者に関しては、「親を頼りにしながらも大人の姿勢でつきあう」「老親の面倒をみる覚悟をしてつきあう」「親の価値観や考え方に影響されながらつきあう」「父親のかかわりをちょっと迷惑と感じながらつきあう」「ドライな部分と濃厚な部分でつきあう」の5つのカテゴリーと11のサブカテゴリーを見出した。 老親のデータ分析結果は、【発症時はパニックで毎日が必死】【子どもの精神症状にいつもアンテナを張っている】【子どもの言葉に支配される】【周囲に話すことを躊躇するが手に負えない助けてもらうためにと悟り明かす】【子どもの自立を促すのが親の務め】【子どもが自分の役割を果たしている成長を嬉しく思う】【子どもの良いところを見出す】【子どものためにできるだけ自分が元気でいれるように活動する】と整理できた。 精神症状が安定している場合と不安定な場合では、老親の子どもへのかかわりは異なっていたが、将来のことを考えると子どもの自立を促す必要性を感じていた。しかし、当事者が負担に感じることを伝えるときに老親自身も精神症状の悪化を恐れ躊躇している様子があった。求める支援は、偏見を克服する、経済的支援、入院時の医療者支援であった。当事者は発症時、親を頼りにしていたが、親は多くの恐怖と不安を抱えていた。時間の経過とともに親子の立場の逆転が起こっているが、老親は子どものために健康維持に努めていた。親への入院時から継続した医療者と周囲の双方による支援が重要であることがわかった。
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