2015 Fiscal Year Annual Research Report
胚細胞腫瘍及び肺がんと減数分裂特異的コヒーシンの関連についての研究
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26870150
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
後藤 悌 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (20596374)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 減数分裂特異的コヒーシン / DNA修復 / がん精巣抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究では減数分裂特異的コヒーシンの発現、臨床的特徴との相関について検討する予定であった。発現についての解析は組織のFFPE検体を使用して免疫染色で評価を目指した。Human Protein Atlasを参考にAnti-SMC1B antibodyとしてCell Signaling Technology, #48058とHPA001500 SIGMAにて評価を試みた。後者についてはcell lineのHCT116などでの発現が確認されている。評価について各種条件を検討し、外部委託も追加して標準化を図ったものの、コントロールのバックグラインドが強すぎるために、免疫組織染色での評価が不可能であった。Cell lineのウェスタンブロットを評価できる分子量の幅を広げて再確認したところ、分子量の異なるところにも強いバンドが確認された。これが評価できない理由と判断した。続いて、mRNAで発現を評価する方法を検討した。mRNAであるので、multiplexに評価する方法を検討し、nCounter®での条件を検討している。一方でがん精巣抗原の肺がんでの発現を網羅的に検討した研究者との共同研究も進めている。 またSMC1βががん精巣抗原ではないという報告が他の研究者からされたため(Scientific Reports 2015 Mannini)に、その再現性についても検討した。マウスでは脳、心臓、脾臓にて、ヒトではprimary fibroblastで発現していたと報告された。われわれの検討では精巣に発現していること、ほとんどの組織での発現がないことが確認されている。われわれの研究ではSMC1βがDNA修復に関与する知見が得られているがManniniの報告ではタンパク発現に関わっている。いままでの研究を再確認し今後の方向性を検討している。
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