2014 Fiscal Year Research-status Report
植物ポテンシャルを利活用した新しい酵素機能同定法の構築
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26870252
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大西 利幸 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60542165)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テルペン / インフィルトレーション法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,植物に一過的に生合成候補酵素を過剰発現させ,植物自身に蓄積している代謝産物を基質とすることで,植物体内で酵素活性試験を行い,生成された代謝産物を化学分析することにより生合成酵素の機能を解明する手法の開発である.本年度の成果は以下のとおりである. ・テルペン化合物高蓄積組換えタバコの作成: 木本科植物であるcamellia sinensisから2-C-メチル-D-エリトリトール-4-リン酸経路上に位置する1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸合成酵素遺伝子 (DXS) およびテルペン合成酵素遺伝子 (TPS) を単離した.単離した二つの遺伝子をそれぞれ植物形質転換用高発現ベクターpRI101に導入し,Agrobacterium tumefaciens LBA4404に形質転換を行った.インフィルトレーション法を用いてNicotiana benthamianaに目的酵素を発現した.その後,植物体から有機溶媒を用いて化合物を抽出し,GC-MSで分析した.その結果,TPSのみを導入した植物体とTPSおよびDXSを導入した植物体のテルペン化合物内生量を比較した結果,TPSおよびDXSを導入した植物体におけるテルペン化合物内生量が著しく上昇していた.以上より2-C-メチル-D-エリトリトール-4-リン酸経路上に位置する1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸合成酵素遺伝子を過剰発現することでテルペン化合物を高生産する組換えタバコの作製に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の一つは,テルペン合成を強化された組換えタバコの作製であり,平成26年度内に実施することができた.また転写後遺伝子サイレンシング効果に及ぼすアグロバクテリウムの種類,インフィルトレーション方法の検討実験にすでに取り掛かっている.
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Strategy for Future Research Activity |
転写後遺伝子サイレンシング効果,ジテルペン配糖体遺伝子を用いた本手法の有用性の検証を順次行う予定であり,変更点や問題点は特にない.
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