2016 Fiscal Year Research-status Report
道徳哲学のドイツ的諸形態に関する研究―理論と実践の観点から
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26870276
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Research Institution | Nagoya Keizai University |
Principal Investigator |
大塚 雄太 名古屋経済大学, 経済学部, 准教授 (70547439)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドイツ啓蒙 / 社会思想史 / 理論と実践 / 道徳哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度まで当初計画を前倒しする形で比較的スムーズに研究を進めてきたが、本年度はやや遅れが生じ、最終年度に大きな課題を持ち越すこととなった。とはいえ、結果として、理論と実践という観点から近代ドイツ思想史の複線的文脈を探るというテーマそのものは、申請時よりも深められかつ広がりのあるものとなってきているので、問題はない。 理論側の展開については、対象文献の読み込みをほぼ完了させ、前年度の研究推進方策に示したように、近代と通底する現代的課題の理解にも注意を払いつつ、最新の研究動向の把握に努めてきた。なかでも、カントやフィヒテを理論側に単純に配置してよいかどうかは本研究課題にとって本質的な問題であり、これについて再検討する機会が得られたと同時に、別の研究課題との関連で開かれた研究会において、フランス思想界との影響関係について本研究課題の推進に資する新たな知見が得られた。 18世紀後半の啓蒙と実践の文脈に関しては、迂回的ではあるが、時代を若干さかのぼってドイツ啓蒙の展開過程を追跡することによって、具体化していく作業を追加した。民衆と啓蒙の関係性についての研究視野の拡大は可能な限り継続し、本研究の位置づけをより明確化したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究と無縁ではないとはいえ、学会関係でやや重い仕事を複数引き受けたため、後半はそれにかなりの時間を費やした。結果としていずれも本研究にとって新たな展望を開く上で有益であったが、予定していた分析を完了させることができず、次年度の研究ペースをやや早める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度のため、成果発表を積極的に行ないたい。やや遅れた分析に関しては夏をめどに完了し、成果発表につなげたいと考えている。
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Causes of Carryover |
合理的な執行に基づく少額の残額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要費目に充当する。
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