2014 Fiscal Year Research-status Report
繊細な人でも気後れせずに人と英語で話す練習ができる英会話補助システム
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26870362
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 健志 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20582993)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 異文化コラボレーション / 国際コミュニケーション / 消極性 / 英会話 / 発音 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ネイティブ話者の英語発話を日本人風の発音に変換することでリスニングを補助するアプリケーションに関するこれまでの成果を、異文化コラボレーション支援に関する国際学会CABS2014(平成26年8月開催)で発表し、当該分野の研究者と今後の展開も含めて議論を深めた。流暢でないことを気にしすぎているのは日本人だけでなく、ネイティブの側ももっと寛容であるべきであるという問題意識が共有されていることがわかった。発表後にも、英語圏の大学関係者からアプリケーションを授業で利用してみたいという問い合わせをいただいている。本研究は今後、国際的な意識を喚起し、ネイティブ・非ネイティブの双方からの歩み寄りを促すことまでを視野に入れて取り組む。 2.上述のアプリケーションの利用希望に対応するため、利用しやすいユーザインタフェース、英語・日本語での利用マニュアルの整備と実装を行った。これらはホームページ上でまもなく公開できる見込みである。アプリケーションの公開は成果発表にとどまらず、現場で利用されることでどのような効果が見られるかという応用面での評価を進展させることが期待される。 3.日本人が気後れを感じがちな国際コミュニケーションの典型的な場である国際会議におけるコミュニケーションを改善するための基礎的な検討として、CHI2015(平成27年4月開催)におけるチャットシステムの運用実験に向けて準備を行った。これはこれまで行ってきた大人数コミュニケーション支援研究を英会話支援の文脈で発展させるものである。 4.当初計画では、リスニング補助の効果を検証する基礎的なリスニング実験を平成26年度中に行う予定であったが、現在は応用が先行している状況である。実験については題材の準備等を進めており、平成27年度中に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、日本人の英会話練習・本番における気後れを解消する英会話支援システムについて基礎的な検討から応用までを扱う研究を計画しているが、初期的なプロトタイプの段階で利用希望が想定以上に寄せられたため、基礎的な検討実験に先行してアプリケーションの実装を進めるなど、当初計画とは実施順の入れ替えが発生している。応用が先行的に進んでいることは今後基礎的な検討を行うにあたってのフィールドができていることであり、総合的には順調に進展している部類に入ると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初期プロトタイプを利用した人たちからのフィードバックコメント等を踏まえることで、より実利用に即した基礎実験を設計し、実施した実験結果の分析を踏まえて、アプリケーション開発を行うという良い研究の循環を進めていく。
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Causes of Carryover |
本研究では、日本人の英会話練習・本番における気後れを解消する英会話支援システムについて基礎的な検討から応用までを扱う研究を計画しているが、初期的なプロトタイプの段階で利用希望が想定以上に寄せられたため、基礎的な検討実験に先行してアプリケーションの実装を進めるなど、当初計画とは実施順の入れ替えが発生している。そのため、基礎的な実験に必要な実験用機材の購入等の支出を次年度とすることにした。また、学会参加のための旅費を一部次年度に使用することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画で平成26年度中に購入するとしていた実験用機材を平成27年度中に購入し、基礎的な実験を実施する。また、計画している通りに学会に参加する。
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