2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンシャペロン Spt6 の相互作用因子 Iws1 の機能解析
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26870377
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
加藤 太陽 島根大学, 医学部, 助教 (40548418)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Iws1 / エピジェネティクス / 転写開始点 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、分裂酵母Iws1(Interact with Spt6)の機能不全が転写開始点付近においてRNAポリメラーゼII(Pol2)の蓄積を引き起こすことを示す実験結果を得ていた。Iws1がどのように転写開始に貢献するのかを理解するためには、転写開始機構それ自体をより深く理解する必要が生じた。このため本年度は、分裂酵母転写開始点を詳細に解析することに重点を置いた。転写レベルと高い相関で基本転写因子が存在する転写開始点の周辺の塩基構成を調査したところ、転写開始点の塩基(+1)を中心として明確な配列パターンが存在することが判った。興味深いことに、一部の遺伝子の転写開始点は塩基配列モチーフとして存在を予測することさえ可能であった。基本転写因子TFIIBは構造学的に+1塩基の上流と下流に結合するとされるが、細胞内では上流側のGCリッチ領域のみに明確なピークを形成した。このGCリッチ領域はLogoとして視覚的に浮かび上がらないがゲノム平均と比べると明らかにGCリッチであった。およそ1割の遺伝子においてはこの領域のすぐ上流にTATA配列が存在したが、転写レベルとの強い相関は見られなかった。しかしながら、TATA配列をもつ場合、転写開始点周辺の配列パターンがより曖昧になっており、TATA依存的プロモーターと非依存的プロモーターでの転写開始点の決定機構はTATA以外の部位の塩基構成のレベルで異なることが示唆された。Iws1の機能不全はどちらのケースにおいても転写開始点付近でPol2の蓄積を引き起こしていたため、Iws1は転写開始点周辺の塩基構成によらず、別の仕組みでPol2の転写促進に貢献すると考えられる。
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Research Products
(8 results)