2015 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ活動中の体幹加速度評価を用いた前十字靱帯損傷危険動作の解明
Project/Area Number |
26870669
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
永野 康治 日本女子体育大学, 体育学部, 講師 (00548282)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 体幹加速度 / 外傷リスク / 着地 / 切り返し |
Outline of Annual Research Achievements |
外傷危険動作の抽出や,競技中の負荷量を定量化するために,バドミントン競技を例に競技中の体幹加速度を計測し,その間の高加速度動作を集計,特定し,その有用性を検討することを本年度の目的とした. 健常女子大学生バドミントン選手2名を対象とした.対象者は加速度センサを設置した状態でバドミントン練習ゲームを15分間行い,その間の加速度計測を行った.計測された3軸加速度データから合成加速度を求め,合成加速度が4G以上となった回数,頻度(回/分/人),および対象者毎の最大合成加速度を求めた.また,抽出された場面の合成加速度,および体幹内側,上方,後方加速度の平均値,標準偏差を算出した. 合成加速度が4G以上となった場面は計63回みられ,頻度としては2.1回/分/人であった.その内,対象者Aが56回,対象者Bが7回であった.63回の平均合成加速度は4.82±0.88G(平均値±標準偏差)であり,各方向への加速度は内方(支持脚内側方向)加速度0.78±0.93G,上方加速度3.46±1.42G,後方加速度2.48±1.58Gであった.プレー場面は,スプリットステップが25.4%(16件)と最も多く,次いで切り返し動作(9件, 14.3%,),バックステップ(8件, 12.7%),スプリットステップ予備動作(6件, 9.5%),着地(フォアオーバーハンド)( 6件, 9.5%),踏み込み(アンダーハンド) (5 件, 8.0%),ストップ(5 件, 8.0%)であった. 本結果より,一定以上の体幹加速度がかかった動作を抽出することで,前十字靭帯損傷危険動作を含む動作が抽出された.体幹加速度を用いた競技中にかかる負荷量の定量化や外傷・障害との関係に関しては,今後の検討が必要であると示唆された. 以上の研究手法を基に,バドミントン選手8名,バスケットボール選手10名,サッカー選手2名の計測を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スポーツ活動中の体幹加速度計測について,加速度計の固定方法や同時計測,解析方法の検討に時間を要した.当初研究ではバスケットボール選手を対象としていたが,まず,動作スペースが限られるバドミントン選手を対象として計測を行った.その結果,スポーツ活動中の体幹加速度計測についての計測・解析手法を確立することができ,他競技への応用も可能となった.この手法を用いて,さらにバドミントン選手8名,バスケットボール選手10名,サッカー選手2名の計測を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
計測・解析方法を確立することができたため,今後はすでに測定済みのバドミントン選手8名,バスケットボール選手10名,サッカー選手2名の解析を行う.今後,サッカー選手の追加測定,および,ハンドボール選手のデータ計測も予定している.また,高加速度動作の多い選手の特徴について,柔軟性や筋力の面から検討する予定である.
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会での発表ができなかったため,その分の費用が次年度使用額として生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は国際学会での発表費用および論文作成費用として使用予定である.
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Research Products
(3 results)