2015 Fiscal Year Annual Research Report
高CO親和性超分子ヘムタンパク質モデル錯体を用いた細胞内COの機能探索
Project/Area Number |
26870704
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
北岸 宏亮 同志社大学, 理工学部, 准教授 (60448090)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 一酸化炭素 / ガスバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
一酸化炭素(CO)を選択的に捕捉する超分子錯体hemoCDを使って, 動物体内および培養細胞内におけるCOの生理機能探索を行った. 動物体内の系において, hemoCDのマウスへの腹腔投与により, 血中の内因性COを捕捉する実験を行った. その結果, COの欠乏に伴って肝臓内で酵素ヘムオキシゲナーゼの発現が誘導され, 遊離ヘムの代謝分解が促進されることにより, その副産物として新たにCOが産生した. すなわち, 内因性COの欠乏を補うための生体内フィードバック機構が示唆された. このフィードバック機構の詳細を検討するために, CO欠乏時における血液成分の分析を行った結果, 内因性COが低減すると血中でフリーヘムの濃度亢進が起こる事が明らかとなった. フリーヘムの濃度上昇によりヘムオキシゲナーゼが誘導され, COの恒常性が保たれるものと考えられる. 本成果はJ. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 5417に印刷公表した. 培養細胞の系にhemoCDを適用するために, hemoCDに膜透過性ペプチドを縮合したR8-hemoCDを合成した. R8-hemoCDのフリーベース体を用いて, 細胞内導入について共焦点顕微鏡観察により検討した結果, R8-hemoCDの細胞内導入が確認された. 細胞内COの捕捉効果について, 免疫細胞をLPSで刺激し, サイトカイン産生量を見積もることにより証明を試みた. 本成果については日本化学会春季年会などにて発表した.
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Research Products
(4 results)