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2015 Fiscal Year Research-status Report

子宮内膜症における接着性の解明とプロゲステロン感受性の検討

Research Project

Project/Area Number 26870783
Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

伊東 裕子  福岡大学, 医学部, 講師 (30632161)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords子宮内膜症 / プロゲステロン / TGFβ1 / MMP
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、本研究の開始を福岡大学病院臨床研究審査委員会に申請し平成26年11月12日承認を経て開始となりました。子宮内膜症組織と子宮内膜組織とを採取し細胞培養を行っています。
申請者は過去に、ヒトの正常子宮内膜においてプロゲステロンとTransforming Growth Factor β1 (TGFβ1)とが細胞外マトリックス分解酵素であるMatrix Metalloproteases(MMPs)の発現を相互に調節している機能因子であることを基礎研究の成果をもとに初めて証明しました。子宮内膜細胞にTGFβ1刺激をおこなうとMMP2とMMP9のmRNA発現が約2倍と有意(p<0.001)に増強し、さらにプロゲステロンを加えることでその発現は濃度依存性に抑制されました。このように子宮内膜においてプロゲステロンとTGFβ1とがMMPsを調節することで月経の発来など重要な役割を担っていることを明らかにしましたが(J Clin Endocrin Metab, 97(6) :E888-897, 2012.)、今回の検討ではヒトの正常子宮内膜とともに子宮内膜症細胞の培養を行い、子宮内膜症細胞と正常子宮内膜細胞とを比較して、MMPsを用いて細胞外マトリックスとの相互作用が子宮内膜症の病態の進行に与える影響を検討していきます。
MMPsは、種々の疾患と関連が報告されており、なかでも血管周囲の基底膜を分解することにより血管新生を促進することが知られているゼラチナーゼ群(MMP2,MMP9)と子宮内膜症細胞との関わりをquantitative real-time PCRとzymographyを用いて検討していきます。また、細胞外マトリックス蛋白に対する子宮内膜症間質細胞の接着性をCell adhesion assayにて評価し正常子宮内膜間質細胞の結果と比較検討します。この実験によって、子宮内膜症の正常子宮内膜とは異なる性質を確認できると考えられます。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究を福岡大学病院臨床研究審査委員会に申請し、平成26年11月12日開始となりました。実験開始が遅れたこともあり、当初の予定より子宮内膜症組織の採取症例が十分でなく、子宮内膜症組織を採取し細胞培養を試みていますが子宮内膜の組織でおこなうより効率がよくないため、現在は子宮内膜細胞と同様に子宮内膜症細胞を継代培養し検討していくようにしています。培養細胞に刺激を行い検討をおこなっているところですが、開始の遅延に伴い実験の進展が遅れています。

Strategy for Future Research Activity

子宮内膜症組織を採取し細胞培養を試みていますが子宮内膜の組織でおこなうより効率がよくないため、現在は子宮内膜細胞と同様に子宮内膜症細胞を継代培養し検討しています。
細胞外マトリックス分解酵素であるMMPsのゼラチナーゼ群(MMP-2,MMP-9)に加えてMMP-2活性化因子とされるMT1-MMPとこれらの細胞との関わりをquantitative real-time PCRやzymographyを用いて検討します。さらに、細胞外マトリックス蛋白に対する子宮内膜症間質細胞の接着性をCell adhesion assayにて評価し正常子宮内膜細胞の結果と比較検討します。また、コラーゲンゲル培養をおこなうことにより子宮内膜症における瘢痕形成のメカニズムに与える影響をみていきます。これらの検討から、MMPsを介した細胞外マトリックスとの相互作用が子宮内膜症の病態の進行に与える影響を正常内膜と比較し検討をおこないます。

Causes of Carryover

研究開始が遅れ組織採取と培養および刺激をおこなっているため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本研究については、基本的に施設や設備については既存のもので十分なため、培養関連およびPCR関連、接着性関連のものを中心に消耗品を購入し実験を遂行していきます。当初、初年度は細胞を培養することから行う予定だったため、使用額は細胞培養を中心に消耗品の予算が必要であり、平成28年度には発現解析までを行うためPCR関連、接着性関連での予算をたてています。
なお、本研究では90%を超える設備備品費などは予定していません。

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Published: 2017-01-06  

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